「わかっていないことは、イノベーションの源泉」都会のオフィスでもサンゴの飼育が可能に…水槽内に海の生態系を再現する「環境移送技術」とは?人と自然が共栄する世界を目指すイノカ代表に話を聞いてみた
ビジネスとしての展開は?環境教育を通して起きた連鎖反応も
トムさん「ビジネスとしてのマネタイズはどういうところでされているのですか?」 高倉さん「企業は地球環境のことを考えながら経営しないと、もうこの先やっていけないと世界中で言われています。 例えば、サンゴはもう2040年には7~9割が死滅してしまうと言われています。これは我々人間の活動の影響なので、しっかりと責任を持った行動をしていくことが企業には求められます。 先ほどの日焼け止めクリームの研究の話もまさにそうです。環境に優しい日焼け止めクリームを作ることが他社との差別化になり、お客さんが商品を選ぶときのきっかけになるので、そういうところにどんどん投資をしようとしています。 最近は専門用語でネイチャーポジティブと言われる企業の行動が求められているので、創業した2019年からすると全然状況が変わっていてビジネスとして非常にやりやすい状況になっています」
トムさん「環境教育については具体的にどのような取り組みをされているんですか?」 高倉さん「主に2パターンありまして、1つ目が商業施設のように人がたくさんいるような場所でやるパターン、2つ目が他の企業さんのオフィスでやるパターンです。 企業のオフィスでやるときは、その方々が今後取り組んでいきたいことや、伝えたいメッセージをしっかり伝えていくという意味で、その会社の方々にもメリットがあります。 そして、1番重要なことは仲間が増えることです。 一緒に海を守ると決めて、ずっと研究などをしてもやはり人手が足りずサステナブルにもならないんです。 教育活動の目的が『 地域の人も巻き込んで、一緒にこの海を守る地球防衛軍になろう』という仲間を増やすことなので、その企業さんが元々やっていた活動がより広がって、仲間が増えていくというのはすごい価値だと思います。 商業施設などでやる場合は、ただ人を集めるだけではなくて、その地域の人たちが環境について考えてなにかアクションを踏み出せるようなイベントが必要になってきます。 広島や沖縄などいろんな場所に行きます。ある場所で子供たちに環境について伝えたら、授業を受けてくれた子が後日企画書を作ってきたことがあり、なんとその子のアイデアを企業さんに聞いてもらったところ実際に実現しました」
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