「ラフ婚」の会場イメージ＝山形市・パレスグランデール

　冠婚葬祭業ジョイン（山形市、武田良和社長）が結婚披露宴の新スタイル「ラフ婚」を提案している。披露宴の小規模化が進む中、堅苦しさを敬遠する人の増加を受け、「気軽に実施、参列できるパッケージプランを」と、若手社員が考えた。参列客数が30人程度の披露宴を想定している。最低限の費用だけを盛り込んで抑えた料金を明示し、通常8回の打ち合わせも3回に減らした。 　結婚情報誌ゼクシィの調査では本県の披露宴招待客数は2000年度の平均158人から22年度に同47人まで減少した。さらに新型コロナウイルス禍を経て、経済的事情や「恥ずかしい」「堅苦しい」の理由で結婚式を挙げない人が増加。「大変」のイメージを持つ人も多い一方、同調査で披露宴を挙げた夫婦の9割超が満足感を得ていたことなどを受け企画した。 　会場は同市のパレスグランデールやオワゾブルー山形を使う。形式は自由で、料理はビュッフェとコースの両方に対応可能。服装もスタイルに合わせ選べる。

　価格が分からず二の足を踏む夫婦も多いため、料金を明確に提示。標準は料理や飲み物、会場のほかドレスとタキシード1着ずつ、ヘアメーク、写真、衣装小物の費用も含み、招待客30人で70万円程度。会費を1人1万5千円とすると、夫婦の負担は25万円程度になる。オプションも用意し、自由にアレンジできる。 　人生儀礼の希薄化を防ぐ狙いもある。同社の小沼岬さん（42）と佐藤尚子さん（38）は「結婚式を考えていない人や諦めている人に一歩を踏み出す契機になれば。良い思い出として刻まれる結婚式を選択肢に入れてほしい」と話す。 　25日までパレスグランデールにラフ婚を紹介する展示室を設け、終了後も写真などで対応する。イベント時や予約時はドレスの試着や料理の試食を無料で応じる。問い合わせは023（633）3313。