「心の中にある悲しみ・嘆き・鬱屈・後悔…そして後ろめたさを吐き出すことで私は生き延びることができた」 15歳で被爆した女性の詠んだ歌 「いろんな人と受け止めたい」と大学院生が歌集として出版 79年目の原爆の日に
ことし8月6日に自費出版された歌集「ひろしまを想う」。 歌を詠んだのは、現在94歳の 切明千枝子 さん。15歳の時に被爆し、今は語り部として活動したり、被服支廠の保存運動にも関わったりされています。 【写真を見る】「心の中にある悲しみ・嘆き・鬱屈・後悔…そして後ろめたさを吐き出すことで私は生き延びることができた」 15歳で被爆した女性の詠んだ歌 「いろんな人と受け止めたい」と大学院生が歌集として出版 79年目の原爆の日に そんな切明さんの、歌人としての作品に注目したのは、大学院生の 佐藤優 さん。短歌に関わるのも本作りも全く初めてです。それでも歌集を出したかったという佐藤さんの思い、切明さんの歌の世界についてお伝えします。 ■被爆した女性の思いを受け止めた20代女性は… 切明千枝子さん 「もう本当にね、私の丸裸の私。さらけ出した、本当に恥ずかしい歌集なんでございますが」 佐藤優さん 「それを初めて読んだ時に、これはいろんな人と一緒に受け取りたい言葉だなっていうのを思いました」 原爆の日を前に開催された歌集の出版記念講演会には、100人もの人が集まりました。 参加者たち 「すごくその場にいたような気持ちになりました」 「31文字という短い間に情景が思い浮かぶ、そんな歌がたくさん詰まってて」 「胸に迫るものが。まだ最初の方しか読んでないんですけど、ゆっくり読みたいと思います」 歌集「ひろしまを想う」には、切明さんが60年ほど前から詠みためてきた短歌のうち500首が掲載されています。 編者の佐藤優さんは、東京在住の大学院生です。広島市立大学の学生だった3年前、切明さんと知り合い、何度も通うようになったそうです。 佐藤優さん 「広島に住んでる時は、週に1回来ている時もあった…」 切明千枝子さん 「もう何度もお会いした人でも忘れちゃったりしてね、どなたでしたっけ?なんてね。佐藤さんだけはお顔見ればわかる。はっはっは」 この日、歌集の全ての原稿を切明さんに最終チェックしてもらいました。 切明千枝子さん 「あのね、高等尋常小学校って、(原稿に)あるんだけど、そうは呼んでなかった。尋常高等小学校…」 佐藤優さん 「逆?…うわ!!!」 切明さんは、語り部となるずっと前から、思いを短歌に詠んでいて、それは、1500首以上ありました。