【特集】なぜ『ドラッグストア』は生鮮食品に手を出したのか?その裏側には“儲けのからくり”が…強みを活かした独自戦略で差別化を図るドラッグストアの生き残り戦略を追う!
■ケース②大手メーカーとタッグ!男性用化粧品に力を入れる『マツモトキヨシ』
業界売上3位の『マツモトキヨシ』通称マツキヨといえば、大きく展開されているのが化粧品コーナーです。2019年、美容や健康に関する商品の売り上げが高い『ココカラファイン』と経営統合したことで、開発に力を入れています。
これまで、顧客データを基に様々な女性用化粧品を開発してきましたが、ここ最近力を入れているのが『男性向けの化粧品』です。 (メイクを体験した男性) 「韓流スターになった感じやわ」 Q.これからもメイクをしていきたいですか? (メイクを体験した男性) 「していきたい。反町(隆史)になりたい」
商品開発の担当者は…。 (『マツキヨココカラ&カンパニー』商品開発部 次長・櫻井壱典さん) 「男性化粧品カテゴリー全体の売上高は、大きく伸長しています」
男性の美容意識の高まりを受け、男性化粧品メーカー『マンダム』と商品を共同開発。マツキヨだけでなく、マンダムにとっても、新たな顧客の開拓につながったといいます。大手企業とタッグを組むことでブランド価値を上げ、他社との熾烈な競争に挑んでいます。
■「化粧品を一個買ってくれれば、トータルの利益は取れる」ドラッグストアの“儲けのからくり”
ドラッグストアが日本に上陸したのは、1970年代。高度経済成長期と共に、スーパーやコンビニ・ドラッグストアなど、新たな小売業が続々と上陸しました。 当時のドラッグストアは医薬品や日用品のみを販売していましたが、なぜドラッグストアで幅広く商品が販売されることになったのでしょうか。
詳しい専門家は―。 (『流通経済研究所』常務理事・山崎泰弘さん) 「元々ある店舗の売り上げを伸ばすためには、『客数を増やさないといけない』と、もっと高頻度で買ってもらえる商品を販売する必要が出てきました。それで、食料品を販売するチェーンが増えてきました」
ドラッグストア全体で、売り上げに占める食品の割合は、2015~2023年の7年間で約2倍にまで成長しました。 Q.なぜ、ここまで伸びたのでしょうか? (山崎さん) 「ドラッグストアでは、化粧品や医薬品が単価も高く、粗利利益率も高い商品です。化粧品を一個買ってくれれば、食品は値段を下げても、トータルの利益は取れるということになります」
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