「伝え方が変われば社会が変わる」国内初、政治家の演説をAIが診断 SNS普及で「バズる」コンテンツに。史上最年少の兵庫県芦屋市長も学んだスピーチ術
▽高まる演説の重要性 演説力診断サービスを監修した選挙プランナーの松田馨さんは、SNSの普及で演説の重要性が高まっていると指摘する。 日本国内では、ウェブサイト上での投票呼びかけや演説告知といった、ネットでの選挙運動を解禁する改正公職選挙法が2013年に成立した。若年層を中心に、政治への関心が薄い人たちにも直接アピールできるSNSは、今では政治家にとって必要不可欠なツールとなっている。街頭演説や国会質疑を数十秒にまとめた「ショート動画」が、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」や「ユーチューブ」で拡散され、再生回数が数百万回に上ることも珍しくない。 松田さんは強調する。「演説自体が一つのコンテンツとして、目の前にいる聴衆の100倍、1000倍以上に見てもらえるようになった。ネット選挙との『掛け算』で、演説の重要性は高まっている」 自身の演説を見返したり、話し方のトレーニングを受けたりする政治家は少ないと感じてきた一方で、松田さんは今後に期待している。「演説を通して有権者に伝えるという意識は、日本の選挙では残念ながら高くなかった。だが、ネット選挙の時代になり、大きく変わってきている。演説が面白くなれば、政治への関心も高まる」