アジアカップのために隠しているのか? そう深読みしたくなるほど工夫がなかったタイ戦前半のセットプレー。選手の口からも「悔しさが残っている」【担当記者コラム】
前半だけで7本のCK
森保ジャパンは1月1日に開催された「TOYO TIRES CUP2024」でタイ代表と対戦。引いて守る相手に前半は苦戦し、スコアレスで折り返す展開となったが、後半に5ゴ―ルを挙げて結果的には、大勝を飾った。 【PHOTO】日本代表のタイ戦出場17選手&監督の採点・寸評。5発快勝も7点台は2人のみ。MOMは先制ゴールのMF スタメンでは伊東純也と田中碧以外は代表経験が浅く、藤井陽也、伊藤涼太郎、奥抜侃志の3人がデビュー戦というメンバーだったとはいえ、前半に1点も奪えなかったのはやはり課題だ。とりわけ気になったのがセットプレーだった。 前半だけで7本のCK、5本のFKがあったが、前者では伊東が主にCB町田浩樹に合わせるという単純な形で、ゴール前に人数をかけていた相手に対し、ニアサイドでフリックしたり、ショートコーナーを使ったりする工夫が見られなかった。 アジアカップ本番に向けて、わざと隠しているのか。そう思ってしまうほどだった。だが、決してそういうわけでなかった。 後半に、堂安のCKにニアで合わせてオウンゴールを誘発したFW細谷真大に即興だったのかを尋ねると、やはりセットプレーはハーフタイムに修正点として挙がっていたという。 「前半、セットプレーが多くて、点を決められなかったところは、自分たちも悔しさが残っている。もちろんハーフタイムの指示はありましたし、ニアのところに突っ込もうと話したので、うまく合わせられたかなと」 改善して結果に繋がった点はよかったが、アジアカップで、この試合のようにセットプレーの機会が何度も訪れるかは分からない。本番まで“使える”バリエーションを増やす必要があるだろう。 取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)