創部初の決勝でアグレッシブに近江と戦い、被シュート2。立命館守山は経験を選手権や今後の飛躍に繋げる
[6.8 インターハイ滋賀県予選決勝 近江高 1-0 立命館守山高 布引運動公園陸上競技場] 【写真】「マジで美人」「可愛すぎてカード出る」現地観戦した女子アナに称賛集まる 初めて決勝の経験を選手権に、今後の飛躍に結びつける。2006年創部の立命館守山高がインターハイ予選、選手権予選、県新人戦を通じて初の滋賀県大会決勝進出。選手権準優勝校の近江高を相手にアグレッシブな戦いを演じた。 立ち上がりから前に出て相手のビルドアップを制限。ボールを奪うと果敢に攻め、セットプレーを獲得する。そして、近江も警戒していた右SB平尾新(2年)のロングスローなどで優勝候補にプレッシャーをかけた。 入りよく試合を進める中、一瞬の隙を突かれて失点。だが、気落ちすることなく、“前へ”を継続する。敵陣での奪い返しからのシュートや相手守備陣を脅かすようなクロスへ持ち込み、後半10分にはMF宮田夢大(3年)の左足ミドルがクロスバーを叩いた。 攻撃の要を担うFW氷見亮陽主将(3年)は、「チームとしても初めてだったんで、楽しもうということは1番に思っていて、その中でも近江に対する対策とか結構やってきたんで、それが出たらいいなと思っていた」と説明する。初の決勝で自分たちの特長も表現していた。 「丁寧にはやりたいなと思っています」という吉田貴彦監督の指導の下、身につけてきた技術力を随所で発揮。DFラインの選手も落ち着いてボールを運び、FW李川晃瑛(2年)や氷見らアタッカー陣が果敢な仕掛けを繰り返した。 また、セカンドボールの攻防で奮闘したほか、CB森圭児ら2年生中心のDF陣がよく踏ん張り、被シュート数はわずか2本。立命館守山のシュートは4本だったものの、近江との試合で「初めてシュートで上回った」(吉田監督)。ただし、指揮官も「試合巧者」と認めた相手に0-1で敗戦。初の決勝で突き抜けることはできなかった。 これまで準決勝の壁を突破できなかったが、今大会では伊吹高との初戦をPK戦で制すと、その後、比叡山高、八幡商高にいずれも1-0で勝って決勝へ進出した。創部2年目の2007年から指導する吉田監督は、「『もう、目出えへんで』って言われながら。牛歩のように、成長してきたんですね」。そして敗れたものの、選手権準優勝経験者を残す近江と紙一重の勝負を演じた。 氷見は近江の力強さや質、メンタル面での差を感じたと言うが、「自信になりました」。次は再び決勝の舞台に立つこと、そして決勝でどう戦うかを意識しながら練習を重ねる考えだ。 「(選手権予選までの)この4か月間ぐらいで追求していきたいと思っています。最後、クロスをどこに入れるのか、どうすればシュートまでいけるのかっていうのをもっと意識してやっていけば、(近江も)絶対勝てない相手ではないと思ってるんで、選手権に向けて準備していきたいと思います。(個人としては)選手権ではもっと点に絡んで、アシストとかでもいいんで、チームに貢献できるプレーしていきたい」。 氷見をはじめ、文武両道を目指して立命館大の系列校である立命館守山へ進学してきた選手が多い。入学当初は現実味がなかったかもしれないが、今回の活躍で全国大会出場が決して遠いものではないと感じることができた。日頃からより意識を高め、細部にこだわって冬へ。「(全国大会に出ることは、)全然、遠い未来じゃないと思ってるんで、頑張りたいと思います」(氷見)。“2度目の決勝”で勝つための、夏秋を過ごす。