ChatGPTに「作業だけさせる人」と「成長に繋げる人」を分けるたった1つの習慣
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長/Musashino Valley 代表/LINEヤフーアカデミア 学長の伊藤羊一氏と、IT批評家の尾原和啓氏との共著『努力革命』が5月22日に発売となり、注目を集めている。本の発売を記念して行われた、元・日本マイクロソフト株式会社業務執行役員で株式会社圓窓代表の澤円氏と、『努力革命』の著者である伊藤羊一氏、尾原和啓氏の鼎談後編。AIによるゲームチェンジが起きた今、一歩目はどう踏み出せばよいのか? 【画像】出演者のプロフィールを見る >>尾原和啓×澤円 対談(1)「ChatGPT、俺的にはイマイチなんだよね」と発言する人の残念な末路 >>尾原和啓×澤円 対談(2) AIが崩す「日本語の壁」、外国人に日本人が淘汰される悲劇 ● 人に「教える」のは効率がいい 尾原和啓氏(以下、尾原):個人よりも会社のほうが、生成AIでの成長格差が酷くなり得る時代、澤さんだったら、「個人」としてどうやって努力革命のタイミングを乗りこなしていきますか? 澤円氏(以下、澤):新しいキーワードが出てきた時に、僕が必ずやっているのが「人に教える」なんですよね。 尾原:なるほど。「人に教わる」じゃなくて「教える」。 澤:教えるつもりになる。ただ、やりすぎると「教え魔」になって、うちらの年代だとガチ老害になっちゃう。
尾原:(笑)。 澤:だけど、「知らない人たちに対してどうやって教えようか?」という向き合い方をするには、一番手っ取り早いなと思います。 尾原:確かに。 澤:ドラッカーの教えですけど、まずそういう観点でやる。それが商売になりますからね。 これは僕にとって過去の成功体験でもあるので、それを突き進めていくと「やっぱり老害じゃん」という話になるんだけど(笑)。パソコンやネットが出てきた時も、僕は同じことをやり続けているんですよ。 尾原:そうですよね。澤さんは、エバンジェリストとしてやられてきているわけですものね。 澤:はい。それこそ、自分より知らない人にマウントを取るためにやっているんじゃないんですよ。どちらかというと、自分を引き上げるために、他者と一緒に上がっていこうと。綺麗ごとじゃなくて、そのほうが効率がいいんです。 伊藤羊一氏(以下、伊藤):そうだね。 尾原:すごくわかります。 澤:ある人が、「高校の中間試験・期末試験の時にみんなで勉強していて、お互いに教え合うとすごく効率がよかったよね」と話していて、「あ、そうそう」と思いました。 高校生くらいになってくると、言語化の能力が大人に近づいてきます。脳内の構造化で理解力がガンっと上がることは、10代の頃から体験している人もいると思うんですよね。 尾原:そうですよね。逆に、教えることで、自分の「わからない」が言語化されます。自分の「わからない」が言語化されれば、その周りで教え合うことが起きるかもしれない。 まさにインターネット以降は、わかっている部分を発信して「ここがわからないんだよね」と言うと、「説明ありがとう。そこはこう調べたらいいよ」と言って、ヒントをコメントしてくれます。それが、インターネットの「教え合う革命」でした。 伊藤:確かに。