ブラジルW杯 注目すべきストライカー6人
■ネイマール[ブラジル代表/バルセロナ/175cm、64kg] ポジションは4‐2‐3‐1の「3」の左だが、組み立てから仕掛け、そしてフィニッシュまでの流れにおいて奇想天外なインスピレーションを発揮し、開催国ブラジルの攻撃をけん引するネイマールを、注目選手として挙げないわけにはいかないだろう。 水沼氏「ドリブルで抜きに入るときのコース取りの巧みさに始まり、そこからシュートまでの一連の動きの中で、高次元のテクニックをスムーズに発揮できる点でネイマールは突出した選手と言っていい」。 王者スペインに3対0で圧勝し、優勝を果たした昨夏のコンフェデレーションズカップでネイマールは大会MVPに輝いた。もっとも、ワールドカップの舞台においては、ブラジルは2大会連続で準々決勝敗退を余儀なくされている。22歳にして栄光の背番号10を託されたネイマールが活躍した先に、史上最多を更新する6度目の優勝が待っていると熱狂的な国民は信じて疑わない。 水沼氏「コンフェデとワールドカップは違う。計り知れないほどの大きなプレッシャーを背負った中で、これまで以上のプレーができるかどうか。期待通りの活躍を演じればネイマールの時代が到来するし、逆の結果に終わればバッシングの対象となる。ネイマール本人も相当の覚悟で臨む大会になると思う」 プレミアリーグのシーズン最終戦で左ひざを痛めたスアレスは、代表チーム合流後の精密検査で半月板の損傷が判明。5月22日に緊急手術を受け、回復までに最短でも15日はかかると伝えられている。5月25日に行われたアトレティコ・マドリードとのUEFAチャンピオンズリーグ決勝で、延長戦を含めた120分間フル出場したロナウドは回復したばかりの左太ももの裏に再び異変が発生。同31日のギリシャ代表とのテストマッチを欠場を余儀なくされた。 所属クラブで長丁場のシーズンを戦い抜いた選手たちは母国の代表チームに合流し、心身のコンディションの回復を含めて、最後の調整に入っている。ブラジル大会を彩る世界的なストライカーたちの動向も、4年に一度の祭典を心待ちにするファンにとっては非常に気になるところだ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)