マツダRE開発グループ、飽くなき挑戦へ 復活1カ月、日高弘順マネージャーに聞く 脱炭素燃料の研究に着手「雰囲気明るい」
マツダが、ロータリーエンジン(RE)の開発グループを復活させて1カ月。「飽くなき挑戦」の象徴と位置づけ、世界の自動車メーカーで唯一、量産を続ける。RE開発グループの日高弘順(ひろゆき)マネージャー(48)は「各地の環境規制に対応していく」と、水素などの脱炭素燃料で公道を走るための研究に着手していると明らかにした。 【動画】マツダのロータリーエンジン車生産現場 ―2月1日、RE専任としては6年ぶりの開発グループが発足しました。 36人体制でスタートした。メンバーは1月末まで、ピストンが上下する一般的なエンジンの開発や設計、実験などをする部門にいた。国内で昨秋発売したMX―30のプラグインハイブリッド車で発電用REを実用化したが、いろいろな部署にまたがっての開発だった。2月からは顔を突き合わせて議論ができる。私も含めREをやりたくて入社した人間ばかり。雰囲気は非常に明るい。 ―現在の仕事は。 REの根幹、おむすび形のローターが生む回転運動の改善だ。発電用REはモーターや発電機と組み合わせて使うが、グループメンバーはREそのものを開発する。ただ、発電効率などの知見がなければ良い車はできない。社内の他部署とのやりとりは欠かせない。走りに関する部門とも関わる。 今まさに研究開発しているのが、多様な燃料への対応だ。水素のRE利用は1990年代から技術を蓄積している。バイオディーゼル燃料にも対応できるだろう。脱炭素につながる。液化石油ガス(LPG)も含め、いろいろな燃料を使えれば災害時に役立つ。各国で手に入りやすい燃料に対応できるのは強みだ。 ―MX―30以外へのREの搭載は。 言えない。適切なタイミングで案内する。東京で昨秋あったジャパンモビリティショーで、REを載せるスポーツカーのコンセプトモデルを展示した。「商品化しないのか」という声をもらったが、そうした応援を受け、RE開発を加速させたいという思いがグループにはある。まだこれからという技術もあるが、実現に向けて頑張りたい。
中国新聞社