「世界一即戦力な男」が浪人して東洋大目指した訳 6年間引きこもり、夢をかなえるゾウ作者との縁
幼少期の菊池さんは、ふつうの「子どもらしい、子どもだった」そうです。勉強面も平均点より少し上くらいで、特段得意というわけではありませんでした。そんな当時の彼は、アニメやゲームが好きだったこともあり、漫画家になる夢を抱いていました。 「『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』が好きでした。習い事もしてなかったので、当時は家に帰ったらずっとゲームをしたり、アニメを観たり、漫画や絵を描いたりしていました。TOKYO MXのアニメの再放送や、テレビ東京の18時台のアニメを全部観ていましたね」
「自分でも、『星のカービィ』を主人公にしたファンタジーものの漫画を描いていた」と語る菊池さん。このころからインプット・アウトプットを自然にやっていたことからも、すでに創作者としての片鱗が見られます。 ■年に40~50回、遅刻や欠席繰り返すように アニメや漫画に触れる幼少期を過ごし、八王子市内の公立中学校に進学した菊池さん。しかし中学2年生になったころから、次第に遅刻・欠席を繰り返すようになります。
それには、親の離婚も少し影響しているようでした。 「学校の成績は変わりませんでしたし、人間関係で問題があったわけではありません。これというきっかけはないのですが、親が小学校高学年くらいで別居し始め、のちに離婚したんです。 中学に進学するタイミングで、練馬から八王子に引っ越したのですが、父親と当時高校生だった兄が朝7時くらいには通勤・通学するので、日中は家に誰もいなくなる環境になりました。 それで学校に行かなくても、誰にもバレない状態になったんです。父親も通知表を見て、僕の遅刻や欠席の回数をわかっていたと思うのですが、無理に学校に行かせようという感じではありませんでした」
それから年に40~50回くらい遅刻したものの、なんとか中学3年生に進級できた菊池さんは、進路を考え始めるようになりました。 「友達に調理科のある八王子実践高校に誘われたんです。高校には行くものだと思っていたので、進学することに対しては、疑問をあまり持ちませんでしたし、普通じゃない変わった経験ができることと、卒業と同時に調理師免許を取得できることから、この学校を受験しました。その友達には『都立高校にも受かったからそっちに行くわ』って言われて驚いたのですが、まぁ別にいいかと思いました」