今年も25万人が来場!「タイフェス」が巨大に成長した深い理由 最初の来場者3万人から日本屈指のイベントに
そして作品にハマったタイ人の視聴者が「聖地巡礼」で佐賀を訪れるようになる。背景にはタイの経済発展と、2013年から始まったタイ人の訪日ビザ免除がある。今度はタイ人の間で、日本旅行ブームが巻き起こったのだ。 「そんなご縁もあって、佐賀県内の人にもっとタイを知ってもらおうとフェスが始まったんです」(ガーンジャナハッタキット公使) こちらはいわば、インバウンド需要が生んだ流れと言えるだろう。 日本全国で定着したタイフェスティバルをテコに、タイ大使館ではさらにタイの文化をアピールしていったという。
「フェスのある5月に合わせてタイの果物や物産を販売しようと、大使館の商務参事官事務所がイオンさんと協力してフェアを行うようになったんです」(ガーンジャナハッタキット公使) 各地にあるイオンモールでは、5月前後に小さなタイブースを設置するところもあれば、キッチンカーやブースを並べるところもある。とりわけ幕張新都心店や成田店では大きなフェスを催してきた。 さらに成城石井でも、タイ政府観光庁の協力のもと、今年4月は「タイフードフェア」を開催。「タイ」そのものが日本人にとって魅力的なコンテンツになっていることと同時に、時流を読み日本人の嗜好をしっかり捉えていくタイ人のビジネスセンスも感じるのだった。
■タイカレーを販売する日本企業も参加 こうして代々木公園の5月の風物詩として定着したタイフェスティバルは、2005年にはすでに来場者30万人を記録。以降、天候にもよるが(そしてコロナ禍のときは中止となったが)コンスタントに25万~30万人を集める巨大イベントに成長していった。 大賑わいとなっていたシンハービールのブースでは、5月11日の初日、お昼過ぎの時点ですでに600本が飛ぶように売れたという。
「例年よりいいんじゃないでしょうか。これだけ盛り上がるのでアピールのしがいがありますよね」(ブース担当者) タイフェスティバルを通じて、シンハービールが日本人に定着してきたと感じているそうだ。 レトルトのタイカレーを販売する食品メーカー・ヤマモリのブースも大盛況。なんと第1回からずっと参加し続けているそうだ。今回はコロナ禍以降、久しぶりに試食も再開した。 「こういう機会に食べていただいて、興味を持っていただけたら」(ブース担当者)