【巨人】メジャーの実績なかった救世主・ヘルナンデス 国際スカウトチームは何を重視している?
巨人のエリエ・ヘルナンデス外野手(29)は交流戦からデビューし、18試合で打率3割4分2厘、3本塁打、10打点と得点力不足だった打線の「救世主」となった。 【動画】ヘルナンデスの力強いティー打撃 * * * ヘルナンデスをなぜ5月に緊急補強できたのか。その背景には国際スカウトの奮闘と考え方の変化があった。 21年11月に吉村禎章氏(現・編成本部長兼国際部長)が国際部長に就任。助っ人調査はメジャーの実績ばかり重視するのではなく、中南米や海外独立リーグ、マイナーまで先入観を持たず幅広く見て原石を発掘するシステムを導入した。 中日時代、現在は守護神のライデル・マルティネスを育成選手で獲得した経験がある友利結(デニー友利)氏ら、吉村部長率いる巨人国際スカウトチームが海外を飛び回って独自の新たなネットワークを構築。ヘルナンデスはメジャー通算14試合だけだが、地道な視察を重ねる中で伸びしろに注目し、2年前の22年からリストアップしてきた。 数十人の獲得候補の中から1月はチーム事情もあってメジャー通算178本塁打の左の大砲オドーアを獲得。開幕前に2軍調整を拒否して退団したが、代わりの打者として国際部がヘルナンデスを推薦し、スピーディーな契約に至った。 ウォーカー(現ソフトバンク)や昨年途中獲得のバルドナードもメジャーの実績がない苦労人。巨人は補強にも新風が吹いている。 ◆エリエ・ヘルナンデス(Elier Hernandez)1994年11月21日、ドミニカ共和国出身。29歳。2011年ロイヤルズと契約。12年からマイナーでプレー。22年にレンジャーズでメジャーデビュー。メジャー通算14試合、打率1割8分2厘、0本塁打、3打点。昨年は3Aで記録した165安打、二塁打36本はともにリーグ最多。185センチ、89キロ。右投右打。推定年俸5000万円。
報知新聞社