【記者解説】日本人が月へ!アルテミス計画で貴重な“水”を見つけられるのか?その先に“火星定住”も…
末岡支局長 「50年前がアポロ計画で、今回はアルテミス計画ですけれども、アポロというのはギリシャの男性の神様、そしてアルテミスというのがこのギリシャの女性の神様です。アポロ計画の時は、月面に立ったのが白人の男性たちでしたが、アルテミスは女神の名前が付けられ、女性を月に降り立たせることを一つの理念として掲げているので、米田さんが選ばれる可能性もあるのかなと、私は期待したいと思っています」
島津記者 「そうですね。最終的には各国の宇宙飛行士のジェンダーや能力のバランスなどを踏まえて決まるそうです」
■“火星定住”にも欠かせない!「アルテミス計画」が探すのは月の“南極”に眠るもの
末岡支局長 「そして宇宙船が月で目指す場所は月の“南極”です。なぜ南極を目指すのかというと、水を探すためなんですね。北極に比べると南極は深いクレーター、つまり大きな深い穴があって、地球でもそうですけど、北極と南極って太陽の光が届かないから、水が蒸発しなくて、たくさん氷が残っている可能性があるんです」 「宇宙空間では水というものがすごく貴重です。水を運ぶのってすごく重いじゃないですか。それを地球からわざわざ宇宙まで運ぶのは大変なので、ISS(=国際宇宙ステーション)では、人間の尿や汗を再利用して、それをもう一度飲み水として使っています。人間がまず月に行って、そこからさらに火星を目指すという観点からしても、月に水があるというのが非常に大事です。加えて、飲料水のみならず、水というのは水素と酸素ですから、水素をロケット燃料に使える可能性もあります。その水素ロケットで火星を目指せるという利点もあるので、水がたくさんあるとされる火星を目指して、まずは2026年9月以降に有人での月着陸を目指しているという、そういう段階だということですね」
島津記者 「普段は日常的に我々月を眺めていると思うんですけど、その実態ってまだまだ謎に包まれていますよね。なのでそんな月の探査に向けて、日本人の宇宙飛行士や、日本の技術が採用されているということは嬉しいし、なんだかロマンがありますよね」 末岡支局長 「今回のアルテミス計画は、50年前のアポロ計画以来、人類が再び月を目指すという、ちょっとロマンのある壮大な計画だと思いますよね。さらに、その先には、月だけじゃなくて、火星を目指すというところで、各国の思いが入り乱れる中ではあるんですが、宇宙空間の平和利用を望むとともに、今後、私たちもウォッチしていきたいというふうに思います」