オランダ代表、背番号10の系譜(4)世界が騒然…! 驚異のプレーで大爆発したエース
オランダ代表の背番号10は、ワールドカップ本大会で輝けないのか。時代を象徴する選手が身に着けてきた番号だが、必ずしも神聖な影響力を持っているわけではなかったのかもしれない。ところが、その不吉なジンクスを打ち破った者もいた。今回は本大会に出場したブラジル大会までのワールドカップ5大会でオランダ代表の背番号10を託された選手たちの活躍を振り返る。※所属クラブは大会前時点、年齢は初戦時点のもの
南アフリカワールドカップ
背番号10:ヴェスレイ・スナイデル(インテル) 生年月日:1984年6月9日(当時26歳) 個人成績:7試合出場/5得点1アシスト 監督:ベルト・ファン・マルワイク 戦績:準優勝 スナイデルにとって2度目のワールドカップは、インテルでリーグ戦やチャンピオンズリーグなど三冠を達成した直後、最高のタイミングで迎えることになった。そしてオランダ代表の背番号10が活躍できないというイメージを払拭する驚異的なパフォーマンスを披露する。 全7試合に先発出場し、グループリーグ第2戦の日本代表戦で決めた強烈なミドルシュートを皮切りに5得点で準優勝に大きく貢献する。そしてトーマス・ミュラーやディエゴ・フォルランと並んで得点王に輝き、ブロンズブーツ賞と、大会最優秀選手賞に次ぐシルバーボール賞を獲得した。 1トップや2トップなどFWとして起用されることがない純粋なMFとしてワールドカップの得点王に輝くのは、スナイデルが大会史上初だった。準々決勝のブラジル代表戦では、170cmと小柄なスナイデルにとって珍しいヘディングでのゴールも含む2得点で、チームを2-1での準決勝進出に導いた。過去に何度も苦杯を舐めさせられてきたカナリア軍団へのリベンジ達成とも言える重要な勝利だった。 決勝のスペイン代表戦では、延長後半にアンドレス・イニエスタの劇的なゴールが生まれて惜しくも優勝を逃す結末となったが、120分間フル出場で大奮闘。スナイデルは大会開幕から最後まで攻撃のタクトを振るう背番号10として強烈なインパクトを残した。
フットボールチャンネル