160センチ、70キロの琴元村、前相撲でデビュー「3年間で体をつくり、5年で関取になりたい」新弟子検査は体格基準のない2次検査で合格
大相撲夏場所3日目の14日、場所前の新弟子検査に合格した力士による前相撲が始まり、身長160センチで体格基準(身長167センチ以上、体重67キロ以上)を満たすことができず、体格基準のない2次検査で合格した15歳の琴元村=本名・元村康誠、佐渡ケ嶽部屋=がデビューし、国技館の土俵に上がった。 ■発生率0.01%の大技【動画】 佐賀県武雄市出身の琴元村は「お客さんや審判、行司さんがいる中で土俵に上がり、緊張しました」。7歳上で128キロの宮崎=本名・宮崎光星、高知県出身、境川部屋=との一番相撲は、立ち合いから圧倒されて押し出され、「大きな相手だったので、できればまわしを取って動きたかった」と悔しがった。 小学校2年から相撲を始めたという琴元村は、同4年時に少年相撲大会の「白鵬杯」で技能賞を受賞した逸材。元大関琴奨菊の秀ノ山親方にスカウトされて佐渡ケ嶽部屋に入門した。その秀ノ山親方から「勝ち負けじゃない。とにかく自分の力を出せばいい」とアドバイスされてこの日の土俵に上がった。それだけに「力があまり出せなかった」と肩を落とした。 それでも、自身でプロ入りを決意しただけに目標は明確だ。「プロに入った以上は上(関取)を目指したい。3年間で体をつくり、5年で関取になりたい」と夢見る。 相撲部屋のイメージを聞かれると「ちゃんこ」とこたえるほどで、その味が体に合うのか入門時から早くも3キロ体重が増えて70キロに。部屋頭の大関琴桜から四股の踏み方などの指導を受け、「英才教育」が始まっている。得意技は外掛けや足取り。「体が小さいのでとにかく動いて自分らしい相撲を取りたい」と目を輝かせている。(安田栄治)
西日本スポーツ