因縁のメスタージャに乗り込むレアル、アンチェロッティ「ヴィニシウスを招集外にはしない。バレンシアファンにも試合を楽しんでほしい」|ラ・リーガ
2日のラ・リーガ第27節、レアル・マドリードは敵地メスタージャでのバレンシア戦に臨む。前日会見に出席したカルロ・アンチェロッティ監督は、メスタージャで勝利を収めるためには最大限のパフォーマンスが必要と語った。 「シーズンが深まれば試合の重要度はどんどんと増してくる。マドリードはメスタージャを苦手としており、なおかつ相手チームは素晴らしいプレーを見せているね。この試合では、最高バージョンの私たちが必要だ」 イタリア人指揮官はまた、負傷離脱中だったMFジュード・ベリンガムがこの試合で復帰を果たすことを明かした。 「彼はすでに100%だ。確かに全体練習にはそこまで参加していないが、コンディション的には最高の状態にある。足首はもう問題ない。明日の試合に出場するよ」 昨季、レアル・マドリードが0-1で敗れたメスタージャの試合では、観客がFWヴィニシウス・ジュニオールに対して人種差別的な行為に及んだことが騒動となった。アンチェロッティ監督はヴィニシウスが精神的苦痛を感じる可能性に配慮して、同選手を招集外とすることを考えなかったのか問われ、次のように返答している。 「ノーだよ。私たちは素晴らしい試合をしたいと考えている。なぜか? ファンはスペクタクルを目にすることを望んでいるからだ。忘れてはいけないのは、昨季ああしたことがあって、バレンシア自体が(差別行為に及んだ人間を)特定してくれたことだ。その行為は犯罪(憎悪犯罪)なのだからね」 「ヴィニシウスの出来事から、スペインで人種差別との闘いが始まったと思うか? そう思うよ。バレンシアもあのとき、しっかりと対応してくれたわけだからね。私たちの社会では、犯罪があったときにしっかり行動を起こさなくてはならない。そうしてくれたと思っているよ」 バレンシアでは1週間前に、14階建ての集合住宅が全焼して10人が亡くなる悲劇が起こったばかりだ。 「私たちは悲劇のあった町に赴くことになる。そこで可能な限り素晴らしい試合をしたい。バレンシアも同じことを考えているはずだ」 「メスタージャのファンにメッセージ? どうか素晴らしい試合を楽しんでくれたらと思う。ただ、こうも言わなくてはいけないことを申し訳なく思う。最後には(レアル・マドリードが勝って)悲しい思いをすることを期待している、と。とにかく、素晴らしい試合を目にしてほしいと願っているよ」 「ヴィニシウスの調子? 特別なことはなく、いつも通り試合に向けた心構えをしているよ。最大限のプレーを見せるための準備をしているし、これ以上何かを言う必要もない。バレンシアは良いチームで、才能豊かな若手選手たちを擁している」 ヴィニシウスはこのバレンシア戦が、レアル・マドリードでの通算250試合目となる。 「彼はここにやって来てから継続的に成長を果たしてきた。そのクオリティーは最初から間違いないものがあったし、今はゴール、アシストを記録している。その謙虚さから、私には彼の限界が見えない。彼の最高のクオリティーは、フットボールを目一杯楽しんでいることなんだよ」
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