<掛布雅之が語る>まだまだ巨人有利 好投したマー君に楽天打線は応えられるか
強力打線の巨人有利は変わっていない
巨人、楽天が、それぞれ“勝利のカタチ”を見せつけての1勝1敗となった。明日、29日からの東京ドームでの3連戦を展望してみると、数字上では5分だが、まだ巨人有利の状況に変化はないと考えている。 寒かった仙台から慣れたドームに帰って、ピッチャーが打席に入るセ・リーグのスタイルに戻る。東京ドームでは“ドームラン”と呼ばれるほど打球がポンポンと飛ぶが、巨人打線にはレギュラーシーズンで18本以上の本塁打を記録した選手が、長野、阿部、村田、ロペスと4人も並ぶ。対して楽天は、ジョーンズ、マギーの2人だけ。シリーズでの一発というものは、ゲームの流れを引き寄せる大事なツールだが、一発攻勢をかける可能性が高いのは巨人の方である。
楽天打線のカギは両助っ人の覚醒
しかも、ジョーンズ、マギーは、ここまで巨人投手陣にうまく攻略されている。「好きなコースの近くにこそ弱点がある」というのが、配球の基本でもあるが、そのセオリーを使ってジョーンズの内角を厳しく攻めた。外の見極めができるのが、ジョーンズの特徴だが、阿部のリードは攻撃的だった。 4、5番が切られることで楽天打線がリズムをつかめないのである。星野監督は、試合後、「東京ドームでは、打線が爆発するでしょう」と予言した。楽天の打線が爆発するためには、ジョーンズ、マギーの一発がいつ飛び出すかにかかっていると思う。だが、予想される両チームの先発陣の力量を比較し投打のバランスを考えてみると、巨人打線が爆発する可能性の方が高いのではないかという予感がする。 (文責・掛布雅之/構成・本郷陽一)