<高校野球速報>清宮の先制タイムリーで早実ベスト16
第97回全国高校野球選手権大会の2回戦が13日、甲子園球場で行われ、早朝から超満員となった第1試合は手に汗を握るシーソーゲームとなったが、早実(西東京)は、清宮幸太郎の先制タイムリーなどで、広島新庄(広島)を7-6で振り切った。清宮は、4打数2安打1死球1三振1打点の成績で、チームの得点シーンに絡む活躍を見せた。
甲子園をグルリと長蛇の列が包む。午前7時15分には、もう満員札止めとなった。スーパー1年生、清宮のおそるべき人気だ。その清宮の前に、広島新庄の2年生、左腕エース堀瑞輝が立ちはだかる。一回一死一塁のチャンスに最初の打席。「ストレートが速いので押し負けないようにしたい」。そう語っていた清宮の裏をかくようにスライダーを主体に攻められる。簡単に1-2と追い込まれると、1球は、インサイドのスライダーをファウルにしたが、抜いた94キロのスライダーにスイングアウト。変化球に緩急をつけられ封じられた。 だが、3回にもめぐってきた一死一、三塁の2度目のチャンスに清宮が存在感を示す。 今度は、初球の133キロのストレートをファウルにすると、2球目のやや外角低めの118キロのスライダーをうまくバットに乗せる。鋭いライナーは、先制のタイムリーとなってライト前へ。さらに続くチャンスに加藤雅樹のショートライナーに飛び出して一塁への帰塁が遅れて併殺にしてしまうボーンヘッドを冒した。そのあたりは、まだ1年生だが、その柔らかさも兼ね備えた打棒は、とても1年生のレベルではない。 早実は3-0とリードを広げたが、4回に先発の松本が一死から突然コントロールを乱して、重盗なども仕掛けられ5点を失い逆転された。追撃の5回。先頭の清宮は、広島新庄の2番手、関藤から、レフト前ヒット。コンパクトなスイングで甘いボールを見逃さなかった。清宮のヒットを足がかりに富田のライトへの2点タイムリーで同点においついた。 勝ち越しのシーンにも、またキーマンは清宮である。6回一死一塁から清宮が、初球の死球で歩き、一、二塁とすると、主将で4番の加藤がセンターへ6-5とするタイムリーを放った。1年生ながら清宮の存在感が広島新庄バッテリーに神経を使わせ、前後の打線へ影響を与える。クリーンナップの仕事を清宮は果たしている。脅威だ。 8回までに両チームが28人を送り込む総力戦。清宮の最後の打席は、8回二死一塁。広島新庄は、ここで4番手の左腕、佐々木をマウンドへ。清宮が、ジャストミートした強烈な打球は、ピッチャーのグラブに吸い込まれ、清宮は信じられないというような表情を浮かべた。 試合は、8回に広島新庄が、早実の1年生ピッチャーの服部を攻め、四球から2安打を集中して、6-6と再びゲームを振り出しに戻したが、9回、早実は二死満塁から渡辺がライト前にふらっと落ちる決勝のタイムリーヒット。その貴重な1点を守りきってベスト16進出を決めた。