阪神 即戦力左腕リストアップ NTT西日本・伊原、セガサミー・荘司、富士大・佐藤 桐敷台頭も若手が手薄
阪神が今秋のドラフト候補として、NTT西日本の最速149キロ左腕・伊原陵人投手(24)をリストアップしていることが2日、分かった。今季は若手の中継ぎ左腕でフル稼働したのは桐敷拓馬投手(25)だけ。即戦力のサウスポーが補強ポイントの一つとなっている。セガサミーの最速150キロ左腕・荘司宏太投手(24)や富士大の佐藤柳之介投手(4年・東陵)も候補に挙がっている。 CSファーストSの開幕が10日後に迫る中、来季のV奪還に向けても着々と準備を進めている。阪神は補強ポイントの一つとして、即戦力左腕に熱視線を送っていた。その中で他球団も含め、大きな注目を集めているのがNTT西日本の伊原。最速149キロの直球とフォーク、スライダーを武器にしている。 5日にわかさスタジアム京都で行われた、社会人野球日本選手権近畿地区最終予選の2回戦では先発で8回2/3を5安打2失点と好投。9球団のスカウトの前で10奪三振と力を示した。阪神は畑山統括スカウトら5人態勢で視察。注目度の高さを表していた。 伊原は智弁学園では村上の2学年後輩。大商大では小野寺の3学年後輩にあたる。18年のセンバツでは3回戦で川原や野口を擁する創成館に8回1/3を1失点(自責0)と力投するも、サヨナラ負けを喫した。球歴を振り返っても、阪神の選手と縁が深い。 今季の阪神は桐敷が勝利の方程式の一角として台頭したが、昨季活躍の岩貞や島本は2軍暮らしが長かった。岩崎も来年は34歳。1日には変則左腕の岩田と来季の契約を結ばないと発表した。富田が5月から安定した成績を残し、川原も支配下を勝ち取ったものの、来季へ向けては、新たな左腕の補強は必要だ。 伊原とともに、セガサミーの荘司もリストアップ。9月30日に明治安田との東京都企業秋季大会5・6位決定戦では九回を1回無失点に抑えている。阪神など5球団のスカウトが視察。「持ち味は三振。プロの勝ちパターンで年間50試合投げられる投手になりたい」と意気込むように、中継ぎタイプだ。 また、オーバースローから最速148キロを投げ込む富士大の佐藤も候補の一人。今年のドラフト会議は10月24日。さらなる強力投手陣を形成するためにも、即戦力サウスポーの獲得へ乗り出す可能性はありそうだ。 ◆伊原 陵人(いはら・たかと)2000年8月2日、24歳。奈良県橿原市出身。170センチ、75キロ。左投げ左打ち。晩成小1年から晩成フレンズで野球を始め、八木中では軟式野球部に所属。智弁学園では3年時にエースを務めてセンバツ3回戦に進出。大商大では1年春からリーグ戦に登板してプロ志望届を出すも指名漏れ。持ち球はカットボール、スライダー、カーブ、フォーク、ツーシーム。 ◆荘司 宏太(しょうじ・こうた)2000年5月22日、24歳。東京都八王子市出身。172センチ、85キロ。左投げ左打ち。7歳から野球を始め、駿台甲府から国士舘大を経て、23年からセガサミーに入社。1年目から都市対抗野球に出場。小柄ではあるが、最速150キロの直球を投げる。 ◆佐藤 柳之介(さとう・りゅうのすけ)2002年11月1日、21歳。179センチ、88キロ。左投げ左打ち。東陵から富士大。昨年11月の神宮大会では準々決勝の上武大戦で1-0の完封勝利を収めている。オーバースローから力強い直球を投げ込む本格派。