奈良「春日若宮おん祭」お渡り式 古都の一年締めくくる
奈良「春日若宮おん祭」お渡り式 古都の一年締めくくる THEPAGE大阪
古都・奈良の一年を締めくくる、春日大社末社若宮神社の例祭「春日若宮おん祭」は17日、お渡り式が行われ、県庁や三条通といった同市内の中心街を馬などが練り歩き、多くの観光客らでにぎわいをみせた。
1136年以来1度も途切れることなく続く行事
奈良市観光協会によると、この祭は、平安末期の1136年(保延2)年9月17日に、関白藤原忠通が五穀豊穣を祈って始めて以来行われており、1度も途切れることなく守り継いでいる伝統行事で、4日間にわたって行われる。 また同祭での「お渡り式」は神霊の行列ではなく、すでに行宮へ遷られた若宮神のもとへ、芸能集団などに加わる人たちが社参する行列のことを言うという。
長年続く伝統行事見てほしい
奈良地方気象台によると、同日正午の気温は9.5度と前日より低くなっており、見物に来た人たちも厚着で防寒対策を施して見学。大きな馬が来ると、子供らが歓声をあげ喜び、参加している友人らを見つけると、声援を贈る光景もみられた。 三条通で警備を担当していた同協会のボランティアの男性は「京都にも立派なお祭がありますが、この春日若宮おん祭も長年続く伝統行事です。1人でも多くの人々に知っていただければ」と笑顔で話す。 また、奈良市内から見学に来たという70代の女性は「やっぱりおん祭の時は寒くなりますね。これでもうじき正月がやってくる実感がきましたわ。皆さん寒さに気ィつけて」と体を丸めながら話していた。 同祭は同日午後に「還幸の儀ぎ」などが行われ、あす18日午後には「奉納相撲」や「後宴能」が行われる。