【阪神】登板数リーグ1位、防御率1・50…「圧倒的な数字と内容を」4年目岩田将貴の強い覚悟
<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム> プロ4年目の阪神岩田将貴投手(26)は固い決意のもと、ゼロを積み重ねている。 【写真】体幹トレーニングを行う岩田 「1軍に上がるために。まずは圧倒的な数字と内容を残せるように」 ここまでウエスタン・リーグトップタイの28試合に登板しながら防御率1・50。3、4月には球団選定のファーム月間MVPにも選ばれた。今季は豊田寛外野手(27)が2軍戦で打率3割2分6厘と結果を重ね、2年ぶりに1軍昇格。九産大の2学年後輩にあたる野口恭佑外野手(23)も6月28日にプロ初の1軍昇格を果たした。這い上がった先輩や後輩と同様に、岩田もひたすら結果を残し続けている。 阪神OBジェフ・ウィリアムス氏(52)をほうふつとさせる、変則サイド左腕。2年前までの登板では左打者との対戦が主戦上だったというが、昨季からは右打者と勝負することも増えた。 「これまでは結構、1カ月右打者と対戦してないケースもあった。でも去年からは監督も変わったし、考え方が変わって。完璧に、確実に右も抑えないとという風に変わりました」 左打者は確実に抑えつつ、右打者にもより意識を向けるようになった。昨季は苦戦した時期もあったが、今季は柔軟な考え方を持てるようになったという。 「たとえ右打者を出しても、左で確実に抑えて。結果0点だったらいいかなという考え。去年は完璧に抑えようという意識が強すぎたので。右打者は最低ライト前でもいいかなぐらいの気持ちになったのが1番かもしれない」 昨季まで被打率3割だった右打者との対戦だが、今季はここまで2割3分1厘に抑え込む。「左キラー」としてだけでは、1軍に上がれない-。残し続ける数字には、今季にかける思いや努力がにじんでいる。 「今年がラストチャンス。そういう意味で、ちょっと考え方を柔らかくしたみたいなところもあります」 佐藤輝や村上、中野らと同じ、20年ドラフト入団。育成入団から22年に支配下契約を勝ち取ったが、いまだに1軍登板はない。より効率的に時間を使うために選手寮を退寮するなど、不退転の決意で臨む今季。心身ともに、戦う準備はできている。【阪神担当=波部俊之介】