最後の1枠かけ“箱根ランナー”たちが挑んだ東京マラソン 駒澤大学OBが日本選手ワンツーもパリ五輪に届かず
一度は浦野雄平選手(富士通/國學院大學OB)に先行を許しましたが、33km過ぎに追いつくと一気に引き離しました。 西山「30キロで1回きつくなってしまったんですけど、自分のペースで落ち着かせようと思って走っていたら、少しずつ回復し(脚が)動いてきた。浦野選手を抜いた後が大事だなと感じていたので、そこからどれだけ(ペースを)押せるかが勝負。そこを意識して走りました」 日本選手トップに立ってからは記録との勝負。2時間5分50秒を目指して力を振り絞りました。しかし、35キロ以降ペースダウン。日本選手トップの9位だったものの、2時間6分31秒とパリ五輪には41秒届かず。フィニッシュ後には両手で顔を覆い、悔し涙を流していました。 西山選手は、「パリしか考えていなくて、このオリンピックが最後の挑戦だと考えていた。今後の目標は全く考えていません」と、自己ベストを1分以上更新しながらも、悔しいレースになってしまいました。 日本選手2位争いは、其田健也選手(JR東日本/駒澤大学OB)と細谷選手のデッドヒートとなりましたが、其田選手がわずかに先着しました。「パリ五輪に出ることだけを考えて苦しいトレーニングを積んできたので、それが達成できなくて本当に悔しいです」と語った其田選手。持ち味の粘りを発揮し、東京マラソンで3大会連続の日本選手2位と力を見せましたが、やはり悔しさをあらわにしていました。 今回の東京マラソンで日本代表獲得とはならなかったものの、箱根駅伝でも活躍した駒澤大学のOBが日本選手1位、2位となりました。 彼らを大学時代に指導した駒澤大学の大八木弘明総監督は「この大会で日本選手ワンツーをやってくれたのはうれしかった」と教え子の活躍を称えていました。一方で「本人たちは2時間5分50秒を目指してきたので、切れなかったのはかわいそうだった。切らせたかったですね」と言葉を続け、教え子の心情を慮っていました。
去年12月の福岡国際マラソン、今年2月の大阪マラソンに続き、今回の東京マラソンでも2時間5分50秒を切った選手は出なかったので、パリ五輪の男子マラソン日本代表の3枠目には、去年10月のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で3位に入った大迫傑選手(Nike/早稲田大学OB)が2大会連続(トラックでの出場も合わせると3大会連続)で内定しました。 MGC優勝の小山直城選手(Honda、東京農業大学OB)、同2位の赤﨑暁選手(九電工、拓殖大学OB)と共にパリに出場します。いずれも箱根駅伝を走った選手たち。箱根駅伝を経由して世界に挑みます。