クレインズのロゴ撤去 釧路アイスアリーナ、展示品掲示は継続
北海道釧路市は、釧路を拠点に活動していたアイスホッケークラブチーム「ひがし北海道クレインズ」への支援の一環として釧路アイスアリーナに掲示していた、正面玄関上と正面玄関ホール階段のロゴマークの撤去作業を5日から開始した。 ひがし北海道クレインズは、日本製紙クレインズ廃部後の2019年6月に立ち上がったが、2年目以降は新型コロナウイルスなどの影響もあって、3季連続で給与遅配が発生。5年目に向け準備していたところ、選手らが受け皿となるべく発足した北海道ワイルズ(現東京ワイルズ)へ大量移籍、チーム存続が困難な状況となった。 ロゴは、市がプロチームを支援する一環として、日本製紙時代の2014年から設置していたが、アジアリーグからの脱退、チーム活動の実態がないことなどから撤去を決めた。 この日は市内の建設業者が、正面玄関上にある縦4㍍、横5㍍のシールを剥がす作業を行った。玄関上は6日まで、玄関ホール奥の階段のロゴは8日までに撤去が完了する見通し。リンク中央のロゴは、同アリーナ指定管理者の釧路市スポーツ振興財団がすでに撤去している。 市教育委員会スポーツ課長で、十條製紙、日本製紙でプレーし、日本製紙クレインズでは監督も務めた竹内元章さんは「クレインズは釧路を象徴するチームであり、地域に貢献してくれた。市民にとって『あって当たり前のもの』という感覚でいたと思う。いろんな事情があってクレインズがなくなり、撤去に至るのは仕方がないことだが、昔関わった人間としても非常に寂しい」と話す。 市と釧路アイスホッケー連盟が主導して新チームを立ち上げる計画については、「常に連携を取りながら進めているが、大きな動きがないのが実際のところ。具体的にどうなっていくというのは、まだ発表できる段階にはないので、時期が来たら発表させていただく」とし、「小中高生は全国トップレベルの実力を持っていて、運営できる関係者の方々もリンクもそろっている。日本のホッケー界のレベルを下げないためにも、釧路の冬のスポーツの活気を高いまま維持していくためにも、トップチームは必要」と力を込めた。 玄関ホール横に展示しているユニホームやスティックなどは、これまでの歴史をたどるものとして、これまで通り掲示を続けるという。
釧路新聞