「光る君へ」脚本・大石静、“ラブストーリー大河”は予想外の反響 「吉高さんと柄本さんがステキ過ぎて…」
「よく“ラブストーリ大河”と言われますが、やや抵抗があります。なぜならまひろと道長の2人のシーンは極めて少なく、ほとんど内裏での権力闘争を描いていたからです。兼家と円融、道長と一条、三条のせめぎ合いと摂関政治の実態をじっくり描いたつもりでした。それといろいろな身分の親子や兄弟の情を大切に描きました。ですが、まひろと道長の吉高さん、柄本さんがあまりにもステキで、皆さんが2人のシーンに胸キュンして下さり、すっかりラブストーリー大河のイメージになったのだと思います。他の組み合わせでは考えられないと思うほど、芝居の相性のいい2人でしたし、役者だけでなく、中島由貴チーフ監督、黛りんたろう監督、原英輔監督が演出したラブシーンは、本当に艶っぽく切なく見事でした。大河史に残って欲しいです」
劇中、道長に関しては「ずっとまひろラブ」だったという大石。道長の正妻・源倫子、もう一人の妻・源明子(瀧内公美)とまひろとの対比も注目を浴びた。
「道長は倫子と明子に等しく優しく、等しく冷たく接していました。それぞれに6人づつ子をもうけて大切にしていたとは思いますけど、心から惚れた女はまひろだけです。まひろの方は、女房として内裏に入ってからは、道長に対して距離を保つように努めていました。ちょっと不愛想なくらい。道長を思いながらも踏み出してはいけないという自制心が働いているというつもりで書きました。吉高さんの切ないけど突っ張っている芝居の匙加減が素晴らしかったです」
道長を演じた柄本とは、吉高主演のドラマ『知らなくていいコト』(2020)以来のタッグ。大石は 「柄本さんは『知らなくていいコト』で演じた尾高由一郎と言うカメラマンの役も、ものすごくステキだったんですけど、わたしの作品で特に色っぽい気がします。何自慢してんだ? って言われそうですが、内裏や土御門殿の廊下を歩くだけでも色っぽい道長・・・ホント恐ろしいくらい見事ですよね」と、視聴者をとりこにしたその魅力に触れる。 そして、吉高については「知らなくていいコト」に続いて2023年放送の「星降る夜に」(テレビ朝日系)でも組んでいるが、「光る君へ」では新たな気付きがあったという。