鹿児島市の桜の名所甲突川、「千本桜」で有名だが500本に減っていた…リアルに1000本へ、再生プロジェクト始動
桜の名所として市民に親しまれている鹿児島市の甲突川河畔で、かつての「千本桜」を再生するプロジェクトが進んでいる。完了するのは2031年度末の見込みだが、すでに市は川沿いの小学校6校に苗木を育ててもらうなど、取り組みが動き出している。 【写真】甲突川河畔に植えられるサクラの苗木を受け取った中洲小学校の西野恵真さん(左)と柚木陽さん=鹿児島市上之園町
市が再整備を計画するのは甲突川左岸緑地(平田橋~天保山橋)約2.3キロと、同右岸緑地(南洲橋~天保山橋)約1.7キロ。昭和50年代には鹿児島青年会議所を中心に千本の桜が植えられたが、現在は害虫被害や老木化などで500本程度に減っている。 具体的なプロジェクトの方針は25年度に策定して決める。本年度は若い世代に千本桜に愛着を持ってもらおうと、荒田、城南、中洲、西田、八幡、山下の6小学校に苗を2本ずつ配布。26年3月まで育ててもらった後に植樹する予定だ。 苗を託された中洲小6年の西野恵真さんは「元気に花が咲くように大切にしたい。甲突川河畔は植物が豊かで鳥がいつも鳴いている。自分たちが植えた桜をたくさんの人に見てほしい」。6年柚木陽さんも「観光客に鹿児島の千本桜はすごいと言ってもらえるように育てたい。見る人の心にも、花を咲かせられる桜になれば」と話した。 市公園緑化課によると、整備は26~31年度に実施予定。交流人口拡大や回遊性を高めるため、園路の再整備のほか、桜島や甲突川の景観を生かしたサクラの再配置を計画している。サクラの種類もソメイヨシノだけでなく、開花時期の異なるさまざまな種類を植えることで、花見期間が延長される見込みという。
鮫島忍課長(54)は「鹿児島中央駅と天文館の中間にある甲突川周辺がにぎわえば回遊性が高まる。市民の新たな思い出ができるような場所にしたい」と話している。
南日本新聞 | 鹿児島