【動画】香港で再び大規模デモ 地下鉄駅の周辺で警察と衝突
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中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐって抗議活動が続く香港で15日、民主派の市民らによる大規模なデモが行われた。条例改正案は9月4日に正式撤回されたが、それ以降では最大規模となった。(レポート:ジャーナリスト・仲野博文) 【写真】香港デモの転換点となった6月9日。100万を超す市民らが参加した
夕方から警察が強制排除を開始
15日午後、香港島の中心街、銅鑼湾(コーズウェイベイ)に多くの市民が集まり、数キロ離れた中環(セントラル)まで行進し、そこから再び銅鑼湾まで行進した。銅鑼湾や中環はショッピング街や金融機関が多く集まる場所としても知られている。
当局はデモを許可せず、市民らは強行する形でデモを行った。参加した市民らの主張はさまざまで、アメリカ政府の介入を求める団体や、警察の暴力に反対するグループ、普通選挙の実施を求める市民などの姿が見られた。
警察は夕方からデモ隊の強制排除を開始。これに若者を中心としたデモ隊の一部が抵抗し、警察と衝突。多くの負傷者と逮捕者が出た。地下鉄の駅周辺では抗議する市民らと排除しようとする警察によって騒然とした。
市民団体などは条例撤回のほかに、「警察の暴力に関する独立調査委設置」「デモ参加者の釈放」など5つの要求を掲げており、デモ収束の見通しは立っていない。
------------------------------ ■仲野博文(なかの・ひろふみ) ジャーナリスト。1975年生まれ。アメリカの大学院でジャーナリズムを学んでいた2001年に同時多発テロを経験し、卒業後そのまま現地で報道の仕事に就く。10年近い海外滞在経験を活かして、欧米を中心とする海外ニュースの取材や解説を行う