BL(ボーイズ・ラブ)人気広がる 13カ国出版「黄昏アウトフォーカス」7月にアニメ化
男性キャラクター同士の恋愛感情などを描く「BL」(ボーイズ・ラブの略称)が近年、ファンの裾野を広げている。実写ドラマやアニメなどの映像作品も多く作られ、日本発のサブカルチャーとして海外でも人気が高まる。7月4日からTOKYO MXなどで放送が始まるBLアニメ「黄昏アウトフォーカス」(木曜午後11時半)の原作者、じゃのめは「BLでしか描けない世界がある」と話す。 【画像】アニメ版「黄昏アウトフォーカス」のキービジュアル ■キャラ全員美少年 「黄昏アウトフォーカス」は、男子校の映画部を舞台にした生徒同士のラブストーリーだ。「爽やかな王道、純愛BL」だといい、出てくるキャラクターは全員が美少年。「編集からイケメン以外の登場は許さないといわれた」とじゃのめは笑う。繊細な人間関係や恋愛感情を描く一方で、外見的なリアリティーにはそこまでこだわらない。 BLの魅力について「自分より遠い存在の男性キャラクターが、われわれ女性読者の代わりとして、冒険や恋愛をしてくれること」と話す。「自分の作品を見て、ちょっと元気になってもらえたら」と願っている。 ■ネットで広がる 子供の頃から少女漫画が大好きだった。ただ、ヒロインのもとに白馬の王子様が現れるような都合の良い展開は、「こんな夢みたいなことがあるわけない」と感じて、素直に受け取れなかったという。その代わり、少女漫画の中の、自分とは離れた存在である男子同士のBL的な関係性にひかれた。趣味として高校時代からBL漫画をこっそり描いており、大人になった後も描き続け、個人サイトに掲載していたところ、出版社にスカウトされた。 「インターネットによって、BLは広がった」と語る。かつてはニッチなジャンルに過ぎなかったものが、ネットによってファン同士のコミュニティーが広がり、人気が可視化されるようになった。また、購入が容易で、置く場所を取らない電子書籍が盛んになったことで、「(結婚といったライフステージの変化などにより)一度離れた読者さんが、また戻ってきてくれた」と実感している。 小説や漫画など2次元コンテンツで発展を続けてきたBLは近年、人気の高まりとともに、映像業界にも進出。アニメだけでなく、実写ドラマでも「おっさんずラブ」(平成28年から、テレビ朝日系)や「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(令和2年、テレビ東京系)といった作品が地上波で放送され、ヒットした。