誰よりもバスケを知っている男たち!『SLAM DUNK』名ガードたちが見せた「カッコ良すぎた駆け引き」
NBAメンフィス・グリズリーズに入団し、日本人4人目のNBA選手として活躍する河村勇輝選手。世界トップクラスの選手が集まるなかでも、ポイントガードとして流れを読み、試合を組み立てる姿が非常に頼もしい。 ■【画像】「リアルすぎ」静けさがヤバい…映画でも描かれた「リョータを見つめる深津の表情」■ 井上雄彦さんの『SLAM DUNK』でも、河村選手のポジションであるポイントガードの選手たちは魅力的に描かれていた。そこで今回は『SLAM DUNK』の名ポイントガードたちに注目し、彼らが試合中に見せたカッコ良すぎる駆け引きの数々を振り返っていきたい。
■開始早々、会場の雰囲気を変えた2人…『宮城VS深津』
インターハイ2回戦「湘北VS山王工業」。ティップ・オフ早々、宮城リョータと深津一成の両ポイントガードが、会場の雰囲気を変えるべく駆け引きし合った。 満員の観客、その多くが王者・山王工業の勝利を期待し疑わない状況。そんななか安西先生の指示もあり、宮城は奇襲を仕掛けた。「いっ」という変顔で桜木花道にサインを送ると、それに反応してジャンプした桜木がアリウープを成功させ、会場全体がどよめく。派手な先制攻撃で「この試合は何かが違う」と観客に思わせ、会場の雰囲気を変えようとしたのだ。 しかし山王のポイントガード・深津は、あえてごく普通のジャンプシュートであっさり返す。「同じ2点だピョン」とあくまで平常運転し、山王メンバーと会場の雰囲気を落ち着かせたのだ。ここまで山王が絶対王者として無敗を続けてこられたのも、この深津の冷静さに一因があるように感じる。 王者山王に対して派手な奇襲を成功させた宮城、あえてごく普通のプレイでその場を落ち着かせた深津。両ポイントガードの特徴が現れるような駆け引きだった。
■スピード感溢れる1対1の駆け引き『宮城VS藤真』
インターハイ神奈川県予選、決勝リーグ進出をかけた「湘北VS翔陽」でも、名ガードたちの駆け引きが見られた。 後半、逆転を許した翔陽。満を持して監督兼選手のポイントガード・藤真健司が途中出場となる。 監督としての冷静な姿とは対照的に、コートに立つと自ら積極的に仕掛けていく藤真。桜木からボールを奪うと、自らドリブルで一気に攻め込む。 対する宮城も持ち前のスピードで藤真に追いつき、1対1の状況に。自身の身長168cmに対し、藤真178cmと身長差もあることから、“パスはせずに勝負してくる”と予想する宮城。その予想は見事的中し、藤真はフリースローラインで止まり、そのままジャンプシュートの構えに。宮城も“読み通り”と言わんばかりに「よし!!」とジャンプし、ブロックに入った。 しかし、藤真はジャンプの最高点に到達する前にリリースする独特のシュート、さらにサウスポーも加わり、宮城のブロックタイミングをずらし得点を決める。おまけに桜木からのインテンショナルファウル(現在のアンスポーツマンライクファウル)を受け、フリースローも獲得するというビッグプレイで魅せた。 この一瞬のプレイ。持ち前のスピードで味方のミスをカバーし、さらに自身と勝負してくることを予想し、ためらいなくシュートブロックに飛んだ宮城も見事だった。一方の藤真は、おそらく宮城の思考も読んでいたのだろう、それを超えるプレイで得点をあげる。 ボール奪取から数秒のカウンター劇、見ごたえのある両ポイントガードの駆け引きだった。