「一歩間違えれば全滅してた…」漫画やアニメに登場する脇役が奮闘した「実は恐ろしい技」
■『幽☆遊☆白書』禁句を口にした者の魂を奪う海藤優
最後は、冨樫義博氏の『幽☆遊☆白書』の「魔界の扉編」に登場した海藤優を紹介したい。 海藤は蔵馬の通う盟王高校の生徒で、「魔界の扉編」に登場した能力者だ。城戸亜沙斗、柳沢光成らとともに幽助を拉致。その後、幽助救出に向かった桑原、蔵馬、飛影、そしてぼたんの4人は海藤と戦うことになった。 海藤の能力は「禁句(タブー)」。自身から半径10mの領域(テリトリー)で“言ってはいけない言葉”を任意に設定し、(術者である海藤を含め)それを口にした者の魂を奪うことができる。 まずは、この能力を軽く見た飛影が禁句を口にし魂を抜かれる。さらには桑原とぼたんも思わず禁句を口にしてしまい、同様に魂を抜かれてしまった。 そして残った蔵馬と海藤の頭脳戦、心理戦が繰り広げられた。最終的には、蔵馬が“変顔で笑わせる”という力技で勝利するのだが、彼のようなクレバーな味方がいなければ全滅していたかもしれない。 それまで力と力で戦うことが主流だった本作に、まったくその力が通用しない敵が現れ、幽助たちが新たな戦い方が必要になった瞬間であった。 今回は、人気漫画に出てくる“実は恐ろしい脇役”を紹介してきた。いずれも純粋な力で相手を圧倒するというよりは、特殊な術で相手を封じ込め、翻弄するような戦い方を得意としていた。 いずれにせよ一歩間違えれば主人公たちが、負けか、全滅していてもおかしくないほどの難敵であったことに違いはない。そして彼らは、戦い方には力と力だけじゃない別の切り口があることを示し、読者たちをさらにその作品へと夢中にさせたのだった。
海狸こう平