「純正スタイルのまま乗り続けたい」アンフィニⅢ|マツダ戦記|1990年式 マツダ サバンナ RX-7 アンフィニ
本格的なスポーツカーとして絶対的な人気を獲得したFC3S。 そのなかで、さらに走りに振ったスパルタンなモデルがアンフィニシリーズだ。 【画像16枚】アンフィニシリーズは2シーターのためリアシートはない。その代わりストレージボックスが付く そのアンフィニはⅠからⅣまで存在し、それぞれ2回ずつ発売された。 シリーズの幕開けとなったⅠは、1986年8月に300台限定で発売。 RX-7初の2シーターで、BBS製アルミ鍛造ホイールや専用ダンパーのほか、アルミボンネットやLSD、MOMO製ステアリングや専用スポーツシートなどを装備。 アンフィニで唯一4速ATが設定されていたモデルでもある。 その後88年1月と同8月には、新形状のリアスポイラーを採用してファイナルギアを変更したⅡがリリースされた。 ここで紹介するⅢは、89年9月と90年2月に発売。 後期モデルとなってからは初のアンフィニで、変更点は従来モデルよりも多岐にわたっている。 なかでも最大のトピックが、最高出力が高められたこと。 これは排気系のチューニングによるもので、メインサイレンサーのパイプ径を拡大し、サイレンサー内部の形状を変更。 こうして排圧を下げることで、標準車よりも10psアップの215psを実現したのである。 このほかにも、BBS製アルミホイールに初めて205/55R16サイズのBSポテンザRE71を採用し、これに合わせてダンパーをリニューアル。 さらにボディ剛性アップを狙って、フロントにはジュラルミン製ストラットタワーバーも追加された。 内外装の豪華装備に加えて、軽量化も施されたアンフィニ 内外装にも、目に見える変更点は多数ある。 ベースとなったのがGT-Xのため、サイドエアダムとリアスポイラーは標準装備。 しかしフロントエアダムスカートは大型化され、よりダウンフォースを高めている。 一方インテリアには、レーシングタイプのフルバケットシートが新たに採用され、専用のニーパッドやMOMO製ステアリングも装備。 より純粋に走りが楽しめる空間となったのだ。 また、アルミボンネットやBBSホイールのほか、テンパータイヤ用アルミホイールやオーディオレスといった軽量化により、車両重量は1230㎏を達成。 パワーウエイトレシオは5.72㎏/psと、FC3S史上最高の数値を実現した。 なお90年6月と91年2月に発売されたⅣでは、ピレリP-ZEROタイヤや国産車初のトルセンLSD、専用サスを装備し、究極のFC3Sが完成した。 アンフィニはこうして標準車以上に早足で進化してきたわけだが、このスペシャルモデルがFC3Sの価値を高めたことは間違いない。 オーナーは、免許取得後にS15シルビアを購入。 しかしその後ネットサーフィンをしていたところ、他に類を見ないロータリーエンジンとRX-7に出合い、興味を持つようになった。 そんなときトータルセブンの存在を知り、見るだけのつもりで同店を訪問。 しかし試乗したら最後で、そのフィーリングやサウンドのとりこになり、ほどなくして購入したそうだ。 「純正スタイルのまま乗り続けたい」とコメントしてくれた若きオーナー このような経緯でオーナーの手元にきたアンフィニⅢは、購入時にエンジンのオーバーホールとステアリングラックを交換したことで、安心感が倍増。 その一方で、「純正風が好みなので、ハデに手を入れるつもりはありません」と若者らしからぬコメント。 今後もオリジナルの良さを生かしつつ、ロータリースポーツのサウンドと走りを満喫していくことだろう。 オーナーはこのアンフィニⅢで休日のドライブだけでなく、スポーツ走行も楽しんでいる。 しかし定期的にオイルやプラグを交換し、愛車の変化につねに気を配ることで、これまで大きなトラブルには遭遇していないそうだ。 なお「たとえ経済的に維持することが難しくなったり、車検が切れたとしても、ずっと手元に置いておくつもりです」というほど、愛車に首ったけ。 アンフィニⅢとのカーライフは、今後ずっと続きそうだ。 主要諸元 SPECIFICATIONS 1990年式 サバンナRX-7 アンフィニ(FC3S) ●全長×全幅×全高(㎜) 4335×1690×1270 ●ホイールベース(㎜) 2430 ●トレッド前/後(㎜) 1450/1440 ●車両重量(㎏) 1230 ●エンジン型式 13B型 ●エンジン種類 2ローター・ロータリーターボ ●総排気量(cc) 654×2 ●圧縮比9.0:1 ●最高出力(ps/rpm) 215/6500 ●最大トルク(㎏-m/rpm) 28.0/3500 ●燃料タンク(ℓ) 70 ●変速比 1速3.483/2速2.015/3速1.391/4速1.000/5速0.762/後退3.288 ●最終減速比 4.300 ●ステアリング ラック&ピニオン ●サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク ●ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも) ●タイヤ 205/55R16(前後とも) ●発売当時価格 271.4万円
Nosweb 編集部
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