観光から地域振興考える 下伊那農業高校で阿智昼神観光局を講師に授業【長野県飯田市・阿智村】
長野県下伊那農業高校で16日、観光業から地域振興を考える授業があった。阿智昼神観光局の白澤裕次社長を講師に迎え、アグリサービス科地域探究コースの2年生18人が観光地のブランディングなどを学んだ。 農業を通じた地域振興を考える「地域資源活用」の授業の一環。農業と観光は地域資源の活用や地域内外へのPRなど重なる点が多いことから、同社が阿智村で取り組む活動にヒントを得ようと開いた。 白澤社長は観光地のブランディングについて「売り手が『来てください』と呼び掛けるのではなく、客に行きたいと思わせることが重要」と説明。「そのためには自分たちが売りたいものでなく、マーケットが望むものを売らなければいけない」と常に客目線で考えることが大切だと呼び掛けた。 生徒たちに日本で2番目に高い山や大きい湖を質問し、「日本一でないと人々には覚えてもらえない」と強調。そのために阿智村は「日本一の星空」のイメージをつくり続けなければならないとし、若い世代が楽しめる工夫やナイトツアーの取り組みを紹介した。 質疑応答で星空以外の観光振興について問われた白澤社長は、避暑地の軽井沢やスキーリゾートの白馬を例に挙げ「ブランディングできている観光地は1つのイメージが確立している。あれもこれも売ろうとするとマーケットに見捨てられてしまう」として星空を軸とした観光振興を進めると説明した。 阿智村に住む生徒は「小さい頃から阿智の星空は身近にあったが、ブランディングという面で見てみると観光の奥深さを知ることができた」と感想を語った。