サヒス・ティーガラが規則違反を自己申告 2罰打で「ぐっすり眠れる」
◇米国男子プレーオフ最終戦◇ツアー選手権 3日目(31日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7490yd(パー71) 【画像】バンカー内でバナナの皮を取り除いたら罰はつく? 4位から出たサヒス・ティーガラが2罰打をものともせず「66」をマークして通算17アンダーの3位に順位を上げた。前半をプレー中、規則違反があった疑いを自ら競技委員に申し出てペナルティを受けた後、終盤で5連続バーディフィニッシュという離れ業で浮上した。 ティーガラは3番の2打目を右サイドのフェアウェイバンカーから放ち、グリーン手前の花道まで運んだ。3打目を寄せてパーで終えたが、直前のバンカーショットのバックスイングでクラブヘッドが砂に触れたかもしれないという疑念が湧いた。「珍しいライで、いつものようにクラブを上げたら、砂を“数粒”動かしたような気がした」。バンカー内の小さなくぼみに球が埋まっていたため、バックフェース周辺の砂が盛り上がっていたという。 同伴競技者のザンダー・シャウフェレと相談し、4番の第1打の後に競技委員に申告。映像では確認できないと判断されたが、ティーガラは「100%の(違反した)確信があるわけではないが、98、99%の確率では少し砂を動かしたと思う」とゴルフ規則12.2b(下記)の違反を申し出て、一般の罰(2罰打)により3番のスコアをダブルボギーに訂正した。 「意図はなかったし、ライの改善にはならなかった感じだったから、(その場では)大したことはないと思った。しかし不運だが、規則では意図は関係ない。スイングに影響する範囲でライを変えれば2打のペナルティなんだ」 インドから米国に移民した両親を持ち、昨年PGAツアーで初勝利を挙げた26歳。誠実さがその後の流れを変えたのか、後半11番から2連続バーディを奪った。14番をボギーにしても、3mを沈めた14番(パー5)から圧巻の5連続バーディ締め。年間王者に王手をかけたスコッティ・シェフラーを筆頭にするリーダーボードの3位で最終日を迎える。 自己申告のシーンを振り返り、ティーガラは「競技委員に言わなかったら、家でもルールが頭から離れなかったはず。ラウンドの(スコア提出の)後で2罰打だと分かったら、いま僕は失格だ。だから申し出て良かった」と話した。優勝者に2500万ドル(36億5000万円)の巨額ボーナスがかかる試合だろうが、「これでぐっすり眠れる。2打で良い気分だ」とゴルフの精神を貫いた。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一) <ゴルフ規則12.2b バンカーの砂に触れることに関する制限> (1)砂に触れた結果、罰を受ける場合。バンカー内の球に対してストロークを行う前に、プレーヤーは次のことをしてはならない: ・砂の状態をテストしたり、次のストロークについての情報を得るために手、クラブ、レーキ、その他の物でそのバンカーの砂に故意に触れること。 ・次のときにクラブでそのバンカーの砂に触れること: >球の直前、直後の区域(ただし、球をフェアに捜すときに規則7.1aに基づいて認められる場合、または規則12.2aに基づいてルースインペディメントや動かせる障害物を取り除く場合を除く)に触れるとき。 >練習スイングを行うとき。 >ストロークのためにバックスイングを行うとき。