個人がプロに勝てる時代 各種ツールで少額投資も手軽に=福島理
取引・保有のコストも、かなり安価に設定されており、新NISA口座での取引では、売買手数料がかからない金融機関もある。日本株などを売買するために必要な投資情報は、パソコンやスマートフォンで手軽に取得することができ、現在はスマホアプリだけで、口座開設から入出金、注文、約定・残高照会までの取引が全てできる。 売買単位もより少額で始められる。投資信託は金融機関によって異なるが、100円から購入が可能だ。以前は一括購入が基本だったが、現在は積み立てが主流で、積み立てのタイミングも毎月が基本だが、ボーナス月に増額や、毎日の積み立てができるなど、個人のお金事情にあった積立投資が可能だ。 ◇ファストリでも4万円から 日本株の投資も1株から取引できる「単元未満株取引」があるため、最低購入金額の大きい値がさ株でも、ファーストリテイリングなら約4万円、ソニーグループは約1万2000円、三菱UFJフィナンシャル・グループはもっと安く約1500円から買うことができる。10万円あれば5~10銘柄に分散投資できるので、少額でのリスク管理が可能だ。 最近、注目されるのは、クレジットカードを利用した積立投資で、主な投資商品は投資信託だ。積み立てと同時にポイントをためることができ、ポイント還元率も1%を超える場合がある。投資資金の1%分が利益として上乗せされたイメージで投資したことになり、使わない手はない。 政府の「貯蓄から投資へ」、岸田文雄政権が掲げる「資産所得倍増プラン」は、国民にとって、将来の生活を守るための資産形成を後押しする施策だ。画期的な改正を行った新NISAをはじめ、iDeCo(個人型確定拠出年金)改革、企業従業員の資産形成の援助、金融リテラシー向上のための金融経済教育など、個人投資家をサポートする施策が次々と打ち出されている。金融機関が提供する個人投資家向けサービスは、さらに進化が予想されており、個人が株式などの市場でプロ投資家に勝つ土俵が、ここにきて急速に整いつつあるといえよう。