「岸田首相、再選狙うなら6月解散」 山崎拓氏が指摘、過半数割れで自民分裂も…【解説委員室から】
今後の政局はどう動くか―。自民党の山崎拓元副総裁は「岸田文雄首相が総裁選で再選を果たすためには、今国会会期末の6月に衆院解散に踏み切るしかない」との見通しを示す。ただし、総選挙の結果、自民、公明両党で過半数を割れば、岸田首相の退陣は必至で、自民党分裂の可能性も指摘。自民党と野党の一部が連携する政界再編もあり得るとの見方を示した。山崎氏との主なやりとりは次の通り。(聞き手・時事通信解説委員 村田純一) 【図解】岸田内閣の支持率 ◆岸田政権で裏金事件は闇に葬られる ―自民党派閥の裏金事件の党内処分をどうみているか? 山崎氏 処分の基準はあいまいなので、疑問もある。しかし、処分したということで、この「政治とカネ」を巡る議論が一歩前に進むとは思う。 ―国会に政治改革特別委員会が設置され、自民党は政治資金規正法改正の議論を中心に進めようとしているが、野党は裏金事件の実態解明が進んでいないので、引き続き追及する構えだ。森喜朗元首相の証人喚問も求めているが、実現するか? 山崎氏 野党が証人喚問を要求しても、与党が応じないのは確実だから、実現しないだろう。 ―岸田首相は自ら森氏に電話で聴いたが、森氏の関与は確認できなかったとしている。 山崎氏 衆参両院の政治倫理審査会でも、森氏の関与を指摘した安倍派元幹部は一人もいなかった。だからこの問題は、闇の中に葬られるんじゃないか。 ―与野党で議論して政治資金規正法を改正した上で、岸田首相は衆院を解散して、国民に信を問うつもりだとみるか? 山崎氏 政治改革の問題を巡って解散することはない。政治改革と解散は関係ない。6月に解散があるというのは、野党が必ず内閣不信任決議案を出すからだ。それに対応するという形で解散になる。 野党は岸田政権での解散を求めているから、必ず不信任案を出すし、出さざるを得ない。岸田首相は不信任案が出されると、「待ってました」とばかりに即解散するだろう。不信任案を採決することはないだろう。採決して否決したら信任されたことになるので、解散もできない。 ―自民党内には「岸田首相に解散させない」と言う人もいる。4月28日投開票の三つの補欠選挙(衆院東京15区、島根1区、長崎3区)で自民党が全敗したら、解散は難しくなり、また、総選挙になれば自公が過半数を割る可能性もあるのではないか? 山崎氏 衆院は今、自民259と公明党32で与党は計291議席ある。465議席の過半数は233。自公59減なら自公で232となり、過半数を割る。岸田首相は政権を失うことになる。