よく似ていて覚えやすい…フランス語とスペイン語とイタリア語は3言語同時に学んだほうが良いワケ
■名詞の性は生物学上の性と一致 先述したとおり、3つの言語とも、「男性名詞」と「女性名詞」という、2種類の文法上の性の区別があります。 ラテン語では中性名詞がありましたが、これらの言語では中性名詞は多くは男性名詞に吸収されました。生物学的に性がある人や動物を表す名詞は、文法上の性も基本的にこれに一致します。動物の場合、種全体を表すときは男性名詞のほうを使います。 ■名詞の性はイタリア語を軸にすると覚えやすい 性の区別がないモノを表す名詞については、次のようにスペイン語とイタリア語では、語末の母音を見れば性がわかるものが結構あります。しかし、語末を見ても性が見分けられないものもたくさんあり、それは覚えなければなりません。 フランス語は、一部の語の見分け方がないわけではないのですが、複雑なのでここでは省略します。3つの言語の名詞の性は、同じ語源の名詞ならば原則として同じですので、特にイタリア語を軸にして一緒に覚えると効率がよいでしょう。
■名詞の性に合わせて変化する不定冠詞 不定冠詞は、数詞の「1」に由来しています。不定冠詞の使い方は英語と同じで、聞き手にとってはじめてのものを指す名詞の前につけます。3つの言語で形が違ってくるので、分けて見ていきます。 ■フランス語の不定冠詞 フランス語の不定冠詞は簡単です。男性名詞にはun(発音は鼻母音です)、女性名詞にはuneがつきます。 ---------- un jour(アン じゥール) 「1日」 une Tante(ゆヌ たんトゥ) 「おば」 une porte(ゆヌ ポルトゥ) 「ドア、門」 ---------- ただし、次の単語が母音で始まる場合には、発音に注意が必要です。男性名詞では、unの鼻母音のnを子音として発音し、次に続く母音につなげます。女性名詞ではuneの子音nを次に続く母音につなげて発音します。 ---------- un oncle(アノンクる) 「おじ」 un étudiant(アネチゅディやん) 「男子学生」 un an(アなん)「1年」 une orange(ゆノラんじュ) 「オレンジ」 une étudiante(ゆネチゅディやんトゥ) 「女子学生」 ---------- いずれもなめらかに発音するための工夫です。フランス語では、とにかく流れるように発音することを大切にします。