輝くかやぶき屋根、70年前に思いはせ 寒河江・慈恩寺、ふき替え完了
寒河江市の国指定重要文化財・本山慈恩寺の本堂で、約70年ぶりに行われていたかやぶき屋根のふき替え工事が完了した。重厚感のある真新しい屋根は、日の光を受けて黄金色に輝いている。 屋根は、雪の重みに耐えられるよう厚みが最大1メートル以上の5層構造になっており、軒先がせり上がっている。経年劣化のため、2022年10月に大規模工事を開始。古いかやを取り除いて下地を補強し、新たに100トンを超えるかやをふいた。10月末に完成した。 積雪などで水分を含むとかやの色が落ちるため、冬を越す前の現在が自然の色を最もはっきり見ることができる。同寺の大江幸友管長(50)は「約70年前の姿を忠実に再現した屋根を見て、当時に思いをはせてほしい」と話している。10日に落慶法要が営まれる。 慈恩寺は746(天平18)年、聖武天皇の勅命により開かれたとされる。現在の本堂は1618(元和4)年に山形城主最上氏が再建した。