「勉強生きた」進学校の石橋、初の聖地で光った思考力 センバツ
◇センバツ第4日(21日)2回戦 ○能代松陽(秋田)3―0石橋(栃木)● 強打で昨秋の栃木大会で4強入りした21世紀枠の石橋だが、初めての聖地で輝いたのはむしろ鍛え抜かれた守備だった。東北大会4強の能代松陽を相手に接戦に持ち込み、大応援団を沸かせた。 【能代松陽vs石橋を写真で振り返る】 最も輝いたのは0―1の四回2死一、三塁の守備だった。相手は意図的にスタートを遅らせるディレードスチールを仕掛けてきた。一塁走者が二塁を狙うと、捕手の山下諒太は二塁に送球。三塁走者は本塁を狙ったが、遊撃の浜野晃太郎が素早く山下にボールを戻して、タッチアウトとした。 石橋は栃木屈指の県立進学校。山下は「練習してきたプレー。勉強で培ってきた思考力や観察力が生きた」としてやったりだった。山下は昨秋の公式戦の出場機会がゼロ。新チームになって初出場が夢の舞台だったというのに、冷静なプレーだった。 三塁を守った原佑太も本来のレギュラーが右肘を痛めたため、「急造」だったが懸命な守備で貢献し、選手層の厚さを示した。 八回途中3失点と踏ん張った先発の入江祥太も「守りというところでは、やってきたことが出せたと思う」と振り返った。 結果は0―3だったが、相手の工藤明監督も「ここまで守られるとは思わなかった」と脱帽した。その実力を石橋ナインが証明した。【岸本悠】