大成建設、遠隔操縦でダム工事--LTE回線使い街中から油圧ショベルを操作
大成建設は、街中からダム現場の油圧ショベルを遠隔操縦する実証実験に成功した。映像伝送システム「Zao SDK」を提供するソリトンシステムズが11月11日に発表した。 今回の実証実験は、「ダム堆砂処理を麓の市街地から遠隔操縦にて実施すること」を目的に、必要な要素技術の確認として実施したもの。建機や重機のレンタルや商品開発などを手掛ける西尾レントオールの遠隔操縦式油圧ショベルにソリトンの映像伝送システムZao SDKを搭載して行った。実施場所は、独立行政法人水資源機構が管理する「寺内ダム」(福岡県朝倉市)と、千葉県が管理する「高滝ダム」(千葉県市原市)の2カ所になる。 従来、建設機械は、特定小電力無線などを使用した数百メートルの遠隔操縦が一般的で、より離れた場所からの遠隔操縦をするにはキャリアLTE回線を使用する必要があった。しかし、現場における電波状況が不安定などの問題があったという。 Zao SDKは、キャリアLTE回線を使い、映像伝送と制御信号伝送を実現するソリューション。マルチリンクと呼ばれる独自技術により、複数のキャリアLTE回線を同時に使用することで、通信を安定化できるという。