落車負傷で3か月の戦線離脱 54歳のベテラン競輪選手が復帰後初勝利「これだけ休んだのは初めて」
熊本競輪のモーニング7「おはようファイ太モーニング7(F2)」が25日に2日目を開始。一般戦1Rを制した穴井利久(54歳・福岡=65期)に話を聞いた。 朝一番、8時30分から始まった1Rは、御年54歳、選手生活35年目に突入したベテラン穴井利久が竹元健竜マークから突き抜けて1着を手にした。穴井は6月岸和田で落車し左肋骨3本と右親指の脱臼骨折を負い約3か月もの間、戦線を離脱し今回は復帰後の初勝利となった。 「これまでは2か月ぐらい休んだってことはあったけど、選手になってこれだけの期間を休んだのは初めて。肋骨はそこまでひどくなかったけど、中手骨ってところのいわゆるベネット骨折というやつがきつくて、ハンドルを握るときとかまだ違和感があります。ペットボトルなんかも普通に開けられないんですよ」と未知の3か月は試練となった。 それでも懸命に復帰へ向けて準備を進め10月福井から実戦に戻ると、合間にはPIST6を1本走り徐々にレース勘を埋めていった。今回の1着は実戦を重ねてきた成果だ。 「この間、左手もケガをしたんです。そのせいか両手のバランスが取れてかえって良くなったのかも(笑い)。それは冗談ですけど、まだボルトも入っているし握力なんかぜんぜんない。そのなかで、やれる限りのことはしています」 これまでつちかった経験値を総動員して本来の状態まで戻していく姿を見ると酸いも甘いも嚙み分けたベテランのしぶとさをまざまざと感じさせられる。(netkeirin特派員)