天才卓球中学生の張本の世界ランクが13位へ浮上。その急激進化の秘密とは?
一方、もともと得意なバックハンドは唯一、バック対バックのピッチの速いラリーでミスが出るのが気になっていたが、これも目に見えて減った印象だ。聞けば、以前は焦りから慌てて打ち急いでしまうことがあったが、今はトレーニングでフットワークを鍛えてしっかりと足を動かし、ボールを体に引きつけて返球できるようになったことで、打ち急ぎが改善されたという。 チェコオープンの決勝でも、ゲームカウント1-2でリードされた第4ゲーム、ポイント5-6の場面でベンチの倉嶋監督がタイムアウトを取った際、「相手の浅くなったボールをフォアで打ち返す。それまではバックで大丈夫」とアドバイスしていたようだが、追い詰められても自分の打球に自信を持ち最後まで戦えたことは大きな収穫だったようだ。張本も「リードされても焦らず平常心を保てた。今まで焦って負ける試合を何回も繰り返してきたが、14歳になって気持ちが変わり、今までみたいに焦っていたら勝てないと思った」と心境の変化について語っている。 そんな彼の目下の目標は「年内に世界ランク10位以内に入る」こと。目標達成はすぐ目の前だ。 (文責・高樹ミナ/スポーツライター)