‟いびつ“が全編を貫く、極めて純度の高い“黒沢清監督が描く恐怖” 映画『Chime』第2弾予告映像公開
メディア配信プラットフォーム・Roadstead オリジナル作品第一弾として制作された黒沢清監督の中編作品、映画『Chime』。この度。本作の第2弾予告映像が公開された。 今年の第74回ベルリン国際映画祭ベルリナーレ・スペシャル部門に出品された本作は、満席の場内で上映され、その後の全上映回が完売するほどの注目を浴びた。 料理教室の講師として働いている松岡卓司(吉岡睦雄)。ある日、レッスン中に生徒の田代一郎が「チャイムのような音で、誰かがメッセージを送ってきている」と、不気味なことを言い出し驚くべき行動に出る。やがて、松岡の周囲で次々と異変が起こり始めるが‥‥。 本作は、東京東エリアにある唯一のミニシアター「Stranger」が初の配給作品として手掛けることでも注目を集めている。なお、Strangerでは、本作の上映を記念して、吉岡睦雄、黒沢清監督登壇による「特別上映」の実施も予定されている。 ▼黒沢清監督 コメント チャイムが鳴り、あなたはこれまでずっと続いていた何かが終わって次の何かが始まるその時が来たことを知る。心の中に不安と期待が同時に押し寄せるが、もう引き返すことはできない。あなたはそれを受け入れるしかないのだ。またチャイムが鳴り、あなたは戸口の外に誰かが立ったことを知る。その誰かがもたらすものが恐怖なのか祝福なのかは、ドアを開けてみるまでわからない。あなたはどうするか?何もしないでいると絶え間なくチャイムは鳴り続けるだろう。この映画は以上のような私の妄想から生まれた。とりたてたジャンル性も娯楽性も作家性も持たない、たった 45 分のむき出しの映画だ。私は、どこにでもいる平凡な中年男である主人公がチャイムによって突き動かされ常識と非常識のあいだを行き来する様を描いてみた。彼は終始不安だ。しかし確信もしている。この非常識こそが、彼をがんじがらめに縛り付けている現代社会のモラルや正義や良心の隙間からするりと抜け出すことのできる、一種の自由でもあるのだと。 映画『Chime』は、2024年8月2日(金)よりStranger他全国順次劇場上映。
otocoto編集部