【MLB】 レッドソックスが6人ローテを検討 ブルペンの負担、現場の適応がハードルに
日本時間1月4日、レッドソックスが今季6人ローテーションを組むことを検討していると、「ジ・アスレチック」のジェン・マキャフリー記者が報じている。レッドソックスは今オフ、ギャレット・クローシェとウォーカー・ビューラーを獲得。さらにトミー・ジョン手術から復帰するルーカス・ジオリトらもおり、先発投手の頭数が十二分に揃っている。 【特集】2024年オフシーズンの移籍情報まとめ
レッドソックスの先発投手層は今オフの補強を経て、非常に分厚くなっている。新しく獲得したクローシェ、ビューラーに加え、昨季ブレイクしたタナー・ハウク、カッター・クロフォードの両右腕、長期契約を結んでいるブライアン・ベヨもいる。さらにジオリト、ギャレット・ウィットロックらMLBで実績のある投手も、故障からの復帰を目指している。これらの投手より実績は劣るものの、クーパー・クリスウェル、リチャード・フィッツ、クイン・プリースターといった若手も控える陣容だ。 昨季のドジャースのように、開幕前に先発投手を十分に揃えたとしても、投手には故障が付き物。先発投手層を厚くすることは、コンテンダー(優勝候補)にとって必要不可欠だ。特にレッドソックスの先発投手陣の面々は故障のリスクが高い投手が多い。また、仮に開幕ローテーション入りが期待されるクローシェ、ハウク、ベヨ、クロフォード、ビューラー、ジオリトの6人が健康に開幕を迎えた場合、ローテーションから外す投手がいないのも実情だ。ビューラーとジオリトは既にマイナーオプションがないためマイナー降格ができず、マイナーオプションがある4人に関しても、マイナーあるいはブルペン降格はもったいないレベルの投手たちだ。 レッドソックスが6人ローテーションを検討するのは当然の帰結とも言える。ただ、6人ローテーションの導入にはハードルもある。 一つの課題が、ブルペンの人数が減ってしまう点だ。現行のロスター運用のルールには、投手は13人までという規定がある。つまり、6人の先発投手を同時に抱えた場合、ブルペンは7人のみでの運用を余儀なくされる。理論上、1日多く休むことができる先発投手がより長いイニングを投げることでその不安は解消されるかもしれない。しかし、162試合の長いシーズンにおいて、先発が早めに降板する事態は容易に起こり得るため、ブルペンの負担が増えるリスクが高いだろう。 もう一つの課題が、現場から巻き起こる賛否だ。新加入のビューラーは「彼らがそれを望むのであれば、もちろん私はそれに賛成だし、慣れている」とドジャースが柔軟に先発ローテーションを組んでいたように、レッドソックスが6人ローテーションを敷いてたとしても適応する旨を話している。一方で、ジオリトが「WEEI」に対して語ったところによれば、「それがチームにとって有益で、彼らがそれが最善の方法だとみなすなら、私は理解できる」としながらも、「6人ローテーションは好きではない」と抵抗があるようだ。ジオリトは6人ローテーションで投げた経験がなく、投手にとっては通常より長い中5日以上の登板間隔への適応を求められる投手もいるだろう。