【闘病】ベーチェット病 失明の可能性示唆され毎朝「今日も目が見えていてよかった」と感じていた
26年前(取材時)、25歳のときにベーチェット病を発症した放送作家のしりこさん。気づいたきっかけは、足首の痛み。初診では異常がないと診断されましたが、特有の症状である口内炎や目が赤くなる症状からベーチェット病と判明し、治療開始。発症時は病気の認知度も低く情報が少ない中、どのように過ごしてきたのかについて、しりこさんに話を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年9月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
完全型のベーチェット病とは
編集部: ベーチェット病とはどのような病気ですか? しりこさん: ベーチェット病の完全型なので、症状は口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、外陰部潰瘍、眼症状、関節炎などがあります。ベーチェット病は慢性再発性の全身性炎症性疾患と言われていて、原因不明の難病です。完全型や不全型など幾つかの種類があって、それぞれ症状も異なります。 編集部: 病気が判明した経緯について教えてください。 しりこさん: 1997年(当時25歳)、足首の痛み、歩行の違和感があり、近くの整形外科を受診したのですが、そのときは異常が見つかりませんでした。 編集部: その後はどうなりましたか? しりこさん: ある日突然、片目が兎の目のように真っ赤に染まり、慌てて近所の眼科にいきました。口内炎も多く出現しており、ベーチェット病の可能性があるとのことで、大学病院の膠原病内科を紹介されました。 編集部: そこで確定診断を受けたのですか? しりこさん: いいえ、実は先に精巣上体炎を発症した(ベーチェット病の男性患者に発症することがある)ことからすでに入院生活が始まっていました。入院中に度重なる検査を受けた結果、ベーチェット病の完全型と診断を受けました。 編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? しりこさん: お薬を使って炎症を抑える治療をメインに、このベーチェット病と向き合っていくと説明を受けました。症状が多岐にわたるため、膠原病内科、眼科、皮膚科、整形外科など複数の標榜科を受診しました。当時は今と比べてベーチェット病に適した薬も少なかったのではないかと思います。 編集部: どのような薬を使用して治療をされたんですか? しりこさん: 関節炎には貼り薬や痛み止めの服用。そして僕は完全型なので、目の炎症が出る度にステロイドの点眼。目の炎症が強い時には、眼科医によるステロイド注射を受けました。どれも僕にとっては重要な治療でした。医師と患者が信頼し合ってこそ、治療が進んでいくのだと感じました。