最終戦も負けOP戦最下位の巨人原監督が掛布HLTに漏らした「こういう時こそ誰か出てくるもの」発言の真意
だが、菅野以外の先発陣に不安は残っている。昨年、15勝4敗で11個の貯金を作った山口の穴を埋める”第2エース”のメドが立っていない。現状、菅野に続くのが、この日、6失点した田口で、次に新外国人のサンチェス、2年目の戸郷。5番目、6番手の先発候補として14日の楽天で滑り込みで好投した鍬原、週末にテスト登板予定のメルセデスが続く。原監督が復帰を楽観視している左腕の高橋優は左肘に違和感があり、期待されている桜井は結果を残せていない。 実は、宮崎キャンプを訪問した掛布氏に原監督はこんな本音を漏らしたという。 「こういう時って代わりに若い誰かが出てくるものなんです」 原監督はピンチをチャンスに変える競争力、成長力を期待していたという。 実際、過去にもエースが抜けた危機を力に変えたチームは少なくない。前田健太がメジャー流出した広島は、その翌年の2016年に優勝、ダルビッシュ有が抜けた日ハムも、その翌年の2012年に優勝した。 掛布氏も、その言葉の真意をこうとらえている。 「巨人の強みはチームの総合力です。投手陣の不安は打線がカバーしますよ。確かに新外国人、戸郷と未知数な投手は多いですが、そういうピッチャーが打線の援護を受けて勝ち星を重ねていければ自信が生まれてくるものなんです。原監督のコメントにオープン戦最下位でもブレがなく、”誰かが出てくるもの”と断言する根拠は、そういうチームの総合力への自信の裏返しなのでしょう。昨年もブルペンがあれだけ不安を露呈しながらも、打線の力で勝ち切った。そこが巨人の強みです」 その打線については、原監督は「1番、5番がカギ」と口にしていたという。 1番で起用された吉川尚は、この日、しぶとく足も生かして2安打をマークしたが、オープン戦を通じで打率.188とふるわなかった。だが、原監督は掛布氏に亀井1番論を力説したという。 「原監督は、吉川尚が結果を出せない場合、亀井の1番を考えています。原監督曰く、昨年、亀井が1打席あたりに投げさせた球数は、4.16球で、実は、これがチームトップで1番の適性があるというんです。相手に球数を投げさせるということは、選球眼がよく、ファウルで粘っているということ。それは四球などの出塁率につながり、しっかりと球筋を見れることで、2番の坂本、3番の丸へとつながり、打線を線にします」