USDコイン、ブラジルとメキシコで銀行システムを通じて企業が利用可能に
サークル(Circle)は、大手銀行との統合を通じて、法人顧客向けにステーブルコインのUSDコイン(USDC)をブラジルとメキシコの決済システムに接続したと17日に発表した。 サークルは、ブラジルで決済システム「PIX」を通じて、企業が現地金融機関からUSDCに直接アクセスできるようにすると述べた。PIXは2020年にブラジル中央銀行(BCB)によって創設され、約1億6000万人のユーザーを持つ。メキシコでは、同国の中央銀行Banco de Méxicoによって提供されるシステム「SPEI」に接続されている。 ラテンアメリカでのサークルの発表は、同社が他のネットワークにステーブルコインを拡大する中で行われた。17日に先立ち、同社のCEOであるジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は、USDCをレイヤー1ブロックチェーンのSuiネットワークに導入する計画だと述べた。 CoinDeskの価格データによると、サークルのUSDCはテザー社(Tether)のテザー(USDT)に次ぐ2番目に大きな規模のステーブルコインで、時価総額は355億ドル(約5兆400億円、1ドル142円換算)、24時間取引高は65.1億ドル(約9200億円)。 先週、投資会社のキャッスル・アイランド・ベンチャーズ(Castle Island Ventures)とヘッジファンドグループのブレバン・ハワード(Brevan Howard)はレポートで、ブラジルを含む新興市場で、貯蓄、通貨両替、クロスボーダー決済といった日常の金融にステーブルコインがますます利用されていると述べた。 ブラジルでのステーブルコインの利用は、地域の大企業が最近、この分野でのイニシアチブを立ち上げるきっかけとなっている。8月には、ラテンアメリカのeコマース最大手、メルカドリブレ(MercadoLibre)のデジタル銀行部門メルカド・パゴ(Mercado Pago)が、「メリ・ドル(Meli Dollar)」と呼ばれる米ドルに連動したステーブルコインをブラジルで導入した。 USDTの発行元であり、ステーブルコイン分野でのサークルの主な競合であるテザー社にとって、ブラジルとメキシコは馴染みのない土地ではない。テザー社は2022年、ブラジルの暗号資産サービスプロバイダーSmartPayとの合意により、USDTをブラジルレアルに交換することを可能にし、同年にメキシコペソにペッグ(固定)されたステーブルコイン「MXNT」も発表した。 |翻訳・編集:廣瀬優香|画像:Sandali Handagama/ CoinDesk|原文:Circle's USDC in Brazil and Mexico Now Available to Businesses Via Banking System
CoinDesk Japan 編集部