「やることがセコい」東大が家庭教師会社の“タダ乗り”に再三警告!卒業生で元三菱商事社員の経営者は本誌取材も無視
8月20日、ある文書がX上に投稿(現在は削除)され、話題となった。 「【注意喚起】本学のZoomアカウントをはじめとする情報資源の営利目的での利用について」と題した文書で、作成者は「東京大学本部法務課企画調査チーム」とされている。 【写真あり】華麗なる経歴「東大先生」の経営陣 文書にはこう記されている。 「このたび、民間企業(「株式会社東大先生」)において、アルバイトとして所属する本学学生へ、本学のZoomアカウントを利用して家庭教師業務を行うことを指示している事実を把握しました。当該企業は、本学とは一切関係ありません」 株式会社東大先生とは、現役東大生によるオンラインでのマンツーマン指導を売りにする家庭教師の会社だ。 「講師には学生証提示を求め、全員、現役の東大生もしくは東大院生であることを確認しているそうで、『厳選された1000人以上の東大生講師陣』を謳っています。授業はすべてオンライン会議ツール『Zoom』を使っておこなわれていますが、受講者にはZoomの利用料は発生しないと強調していました」(社会部記者) 前述の文書では、大学から東大先生側に再三の注意をおこなったものの、改善がなされなかったとして、学生に対して《アルバイト先の民間企業から、本学のZoomアカウントをはじめとする情報資源を当該企業等の営利活動に利用するよう指示があった場合でも、従わないようにしてください》と、通達している。 「コロナ禍でのオンライン授業により、国内でも一気に台頭したZoomでは、一般ユーザー向けの料金プランとは別に、通常より割引価格となる教育機関向けの料金プランが設定されており、東京大学にも教育機関向けプランが適用されていると思われます。 しかし、在学生がそのZoomアカウントを利用して東大先生などのアルバイトをおこなった場合、教育機関としての利用から逸脱し、営利目的ととらえられてもおかしくありません。 そうすると、Zoomの利用規約を違反したとして、大学側も何らかの責任が問われる可能性があるために、このような警告文を出したのでしょう」(同記者) 本誌が東京大学本部法務課に取材すると、「当該注意喚起は、本学学生に向けておこなったものです」と警告文の存在は認めたものの、「その他の事項についての回答は差し控えさせていただきます」と、今後の対応などの詳細については明かさなかった。 一方の東大先生に対しては、X上でも批判の声が多く聞こえる。 《再三注意しているのに辞めないって、この社長ヤバい》 《わぁ、この会社やることがセコい… それに頭いいのと社会的常識があるのは比例しないんだね。残念すぎる》 《東大先生とか銘打っといて、せめて法学のやつに相談してみようとか思いつかなかったんか?という気持ちはある。素人が見てもヤベーことをよ》 《三菱商事出てるエリートでも、グレーな運用しちゃうんだねぇ》 東大先生は、2022年6月に創業され、元三菱商事社員の堀井崇史氏が代表取締役社長を務めている。堀井氏は神奈川の名門進学校・聖光学院中学校・高等学校から東大農学部を卒業。そして、取締役副社長の山﨑駿輔氏も灘中学校・高等学校から東大工学部に進学し、同大学院工学系研究科卒業という経歴。ともに社名に“名前負け”しない華麗なる人たちだ。 しかし、警告文がXで注目を集めた後、東大先生は何の対応も見せていない。さらに、堀井氏のものと思われるXアカウントは非公開状態だ。 東大先生に対し本誌が今後の対応と見解を求めたところ、締切までに回答は寄せられなかった。最高学府の知識が“セコい商売”に使われていた事実は残念なことだ。