「老後の生活費」が不安…【低年金・無年金】のおひとりさまの生活はどうなるの?
毎月の年金受給額が3万円以下の人は少なくない
現役時代に会社員や公務員などで働いていた人は「厚生年金(国民年金の保険料含む)」に加入しています。厚生年金の受給者はどのくらいの年金を得ているのでしょうか。 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参照し、確認してみましょう。 【図表2】の通り、男性と女性では年金受給額に差があります。男性の年金受給額のボリュームゾーンは15~19万円、女性については8~10万円となっています。 一方、年金受給額が3万円未満の人は男性が約5万7000人、女性が約7万4000人です。 また、現役時代に自営業やフリーランスなどで働いていた人は「国民年金」に加入しています。国民年金は厚生年金よりも受給できる金額が一般的に少なくなります。 国民年金の受給額のボリューム層は男女ともに5~7万円となっています。3万円以下の受給額の人も多く、男性は約27万9000人、女性は約94万2000人です。 【図表2】と【図表3】はいずれも既婚者と未婚者が一緒になっている統計で、現在よりも既婚率が高い時代に現役世代だった人たちです。 このため、低い年金受給額であっても、パートナーの年金などの収入で問題なく生活できている人も含まれています。 とはいえ、日本では一人暮らしの高齢者が年々増加傾向にあります。 内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、65歳以上の人口に占める一人暮らしの割合は令和2年においては男性15.0%、女性22.1%となっています。
年金だけで生活できないおひとりさまはどうなるの?
既婚者であれば、自分の年金が少なくてもパートナーや子どもに頼るという選択もあります。しかし、おひとりさまの場合、経済的に頼れる人がいないということにもなりかねません。 こうした場合に、第一に考えられるのが「働き続ける」という選択です。日本は少子高齢化による労働者人口の減少により、高齢者に門戸を開いている求人も多くあります。 時代によって若者や高齢者に対する見方は異なるものの、現在においては若者よりも高齢者を求める企業も少なくありません。 例えば、コンビニや飲食店などでは学校優先でシフトを決める学生よりも、柔軟に対応してくれる高齢者が好まれることもあります。 ライフワークバランスや個人の権利ばかり主張する若者も近年では多く、働くことの厳しさや高度経済成長期の働き方を知っている高齢者の方が自社に貢献してくれると考える企業も珍しくないようです。 年齢を重ねると体力面など問題が出てきますが、働くことで健康を維持でき、脳を活性化できるなどメリットもあります。 また、職場とのつながりがあれば、人と会話する機会を日常的に得られたり、支援につながったりすることもあります。 働くことが難しく、貯蓄もなければ「生活保護」の受給になるでしょう。高齢であったり、健康状態に問題があったりする場合、頼れる人がいなければ生活保護の受給は認められやすいはずです。