定年退職が近づき、老後資金が心配になってきました…… 。今からiDeCoをやっても間に合うのでしょうか?
公的年金で不足する分を補填するために、iDeCoを利用する人が増えています。しかし、定年退職が近い50代の場合はiDeCoを利用できて、メリットもあるのでしょうか。 本記事では50代以上でもiDeCoに加入するメリットがあるのか、年齢別にどれくらい貯めることができるのかを解説します。定年退職が近く、老後資金に不安を覚えている人は参考にしてください。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
iDeCoとは
iDeCoは、公的年金だけでは不足する老後の生活資金を補填するために設けられた個人型確定拠出年金です。毎月の掛け金を運用し、60歳以降に年金として受け取れます。 税制上のメリットもあり、原則として誰でも利用できますが、年齢層による制限があります。特に定年退職が近い人は年齢制限に留意しましょう。 【iDeCoの概要】 会社員や公務員が利用する場合のiDeCoの概要は以下のとおりです。 ◆加入可能年齢……20歳以上65歳未満 ◆掛け金の下限……5000円 ◆掛け金の上限(拠出限度額)……企業年金がない会社員2万3000円(※)、公務員1万2000円 ◆掛け金の運用……運営管理機関が提供する運用商品を自由に組み合わせて運用、運営管理機関は商品の説明のみで運用商品は自分で決める ◆受給年齢・受取方法……60歳から75歳までの間、一括または5年~20年の分割 ◆所得税・住民税……掛け金は全額控除、運用益は非課税、受取金は公的年金等控除または退職所得控除 ※ 企業型年金(DC、DB)と併用の場合は、組み合わせによって1万2000~2万円 【iDeCoは何歳まで加入可能か】 iDeCoは制度改正により、2022年5月1日から加入年齢が60歳未満から65歳未満に拡充されました。また、同年4月1日からは受取開始年齢の上限も70歳から75歳に延長されています。 そのため、定年退職年齢に近い人も加入しやすくなっています。iDeCoは長期に運用するほどメリットが大きいと言われているので、50代から加入しても一定のメリットが得られる環境になったと言えます。 【50代から加入する場合のメリット・デメリット】 iDeCoに50代から加入するメリットとデメリットは以下のとおりです。 ◆50代から加入するメリット ・毎年確実に掛け金全額控除と運用益非課税のメリットがある ・受取開始年齢と加入年齢が延長されているため、税制優遇の期間も長くなった ◆50代から加入するデメリット ・若い世代と比較すると運用期間が短いため大きな運用益は得られない ・短期間の運用なのでリスク管理に注意が必要