はやぶさ2が地球に帰還へ JAXA会見(全文2)やはり、自然は本当に面白い
はやぶさ2が持ち帰る物質への期待は?
日本テレビ:ありがとうございます。じゃあ最後に、リュウグウが今、2回のタッチダウンを経て、さまざまな物質を採取したとみられているわけですけれども、持ち帰る物質への期待、こういったことの解明につなげてほしいといったこと、何度も繰り返し聞いていることで恐縮ですが、あらためて、持ち帰る物質への期待についても伺えますでしょうか。 津田:リュウグウとうのはC型小惑星です。炭素、有機物が含まれていると期待されるもので、リュウグウの近傍での、「はやぶさ2」による観測とそれが期待される科学データが出てきております。それが実際、観測装置を通して、「はやぶさ2」の観測装置を通して見ることに加えて、われわれが実際に手に取ってそれを観察することができるようになる、それが1年後に起きること、あるいは「はやぶさ2」が起こすことです。 それによって今まで小惑星の星のかけらという意味では、岩石質の小惑星については「はやぶさ」が持ち帰ったことがありますが、炭素、有機物、水に関わるもの、これが太陽系の中でどういうふうに散在していて、どうしてリュウグウにあって、それは地球とどういうふうに結び付いているのか、あるいは地球の生命とどう結び付いているかというところまで考えが及ぶだけじゃなくて、データに基づいて何か語れるようになると、そういう時代が来るのが来年以降だというふうに思っています。そういう意味で、新しい科学、新しい知見を「はやぶさ2」が1年後にもたらすことを期待していますし、そういうふうに「はやぶさ2」をきちんと運用していきたいと思っています。 司会:続いて一番前の方にお願いします。
明日に決まるまでの議論の詳細を聞かせてほしい
荒舩:ライターの荒舩です。「はやぶさ2」がリュウグウを離れるあしたですけれども、そう決まったのは、理由が2つ挙げられましたけれども、チーム内での議論ではどうしてこの日に決まったのかって、もう少し詳しくお聞きできればと思います。 津田:リュウグウを最終的に出発できる条件がそろっているか、こういう議論が、何度かはやってきているんですけど、一番大きい会議は10月末に、「はやぶさ2」の全体の運用会議という会議がありまして、29だったかな。そこで全ての条件について確認しました。 それに基づいて、プロジェクトとしては近傍フェーズを終了しても問題、支障なしという判断をしたというのが10月末のことになります。そこから先は、「はやぶさ2」に対して出発の準備をしていって、準備をしていきながら、あと少し残されている観測もあったので、そういうのをこなしていたということで、準備ということも含めて条件が整ったのが昨日11日のことです。そこでJAXAとしての判断をしまして、今日の運用で支障がなければあした13日に、12日の運用で支障がなければ、それをもって13日に離脱するということに決めたということです。そういうプロセスになっています。 荒舩:12月までいられることはいられると聞いてはいたんですけれども、早くしたというのは、やっぱりそれだけ安全性を重視とか、そういうことなんでしょうか。 津田:はい。そうですね、「はやぶさ2」がもともと想定していた、ここまでが近傍フェーズとしてやるべきことであるという計画に従ってやっていまして、それが最終的にはもう非常に想定より早く満たされてしまったと。満たすことができたので、これはここから先、「はやぶさ2」として帰還フェーズもありますので、どこで帰還フェーズに移行すべきかと考えたときに、安全と成果のバランスを取った結果、13日になったということです。 【書き起こし】はやぶさ2が地球に帰還へ JAXA会見 全文3に続く